お店やイベントなどで複数の資料やグッズを配る機会がありますよね。カタログなどは厚みがあって手で持って歩くには少し邪魔…。アイテムがたくさんあると、渡す方も渡された方も困ってしまいます。
そんなときは手提げ袋でまとめてみてはいかがでしょうか?
手提げ袋といっても、種類や機能はさまざまです。軽さを求めるもの、中身を確認できるもの、ある程度の重さにも耐えられるもの、雨や汗など水分に強いものなど…。
市販のものでも十分かもしれませんが、オリジナルデザインの手提げを作って企業のイメージUP、お店や商品のコンセプトを表現する宣伝アイテムにしてみませんか?
チラシやノベルティ、ポスターなど販促物の種類はたくさんありますが、手提げ袋はその中でも利便性と販促能力を兼ね揃えた万能アイテムです。
このページでは、手提げ袋についてその種類と機能、パーツについてお教えします。オリジナル性を持たせて世界に1つの手提げ袋を作ってみましょう。
1.紙製、ビニール、不織布――まずは素材を選ぶ
手提げ袋には代表的な素材が3つあります。
・紙製
・ビニール製
・不織布製
手提げ袋を作るには、まずは袋の素材を決めましょう!
1-1 紙製
手提げ袋としては最もメジャーな素材かもしれません。飲食店から服飾・雑貨店、量販店などのさまざまな業種のお店で使われています。
また、高級感と強度を保ちつつ、処分もしやすいことから、企業の事務用品用の手提げ袋にも紙製がよく選ばれます。
紙製手提げ袋の特徴
・印刷適性が高く、発色や写真の再現度が高い
・用紙の種類が豊富で、さまざまな風合いを出せる
・厚みのある用紙を選ぶことで、自立する
・嵩と強度があるため、中に入れるものを傷つけにくく、中身をしっかり守れる
・リユース・リサイクル可能で、焼却処分もしやすい
紙製手提げ袋の代表的な用紙
・両晒(未晒)クラフト紙
漂白していないパルプを使用しているため、用紙が茶色いのが特徴。
手提げ袋にすると、親しみやすい印象。強度が高く、表面加工をしなくてもOK!
カフェや雑貨店など水気や重さのあるものを入れる場合にもよく使われる。
・晒クラフト紙
漂白したパルプを使用しており、紙の色が白く印刷適性が高いのが特長。
強度は両晒、未晒クラフト紙に比べ劣る。片面のみ艶を出した片艶晒クラフトもあり、親しみやすく、なおかつきちんとした感じも出る。デパートやお菓子屋さんなど、お土産を渡したり、お菓子をプレゼントしたりする際にも大活躍。
・コート紙
印刷適性が高く、発色・再現度はダントツ。
しかしながら、厚みのあるコート紙でも強度はイマイチで、重いものを入れたいなら表面にPP加工が必要。コート紙(+PP加工)の手提げ袋は、きちんと感と強度が両立した立派な印象。企業のオリジナル手提げ袋など、営業活動や資料や機材を入れてもサマになるタイプ。
・ファンシー紙
ファンシー紙の種類によって、さまざまな風合いを出すことができる。
強度を高くするために紙を厚くする必要があるが、厚くすると値段が高くなるのがデメリット。そのぶん、手提げ袋に高級感と特別感を与えることができる。高級アパレルショップやジュエリーショップで使われることが多い。
1-2 ビニール製
スーパーマーケットやコンビニなど、街のいたるところで用いられ目にする機会も多いのが、ビニール製の手提げ袋です。
ビニール製手提げ袋の特徴
・軽量で雨や水滴などの耐水性も高い
・透明にすることで、中身の視認性を持たせることができる
・印刷適性は紙ほど高くないが、比較的安価で製作可能
・柔軟性があり、立体物やかさばるものでも中身の形状に合わせることができる
・持ち手が伸びやすく、リユースしにくい
・素材によって自治体で焼却処分の方法が異なる場合も
ビニール製手提げ袋の素材
・ポリ塩化ビニル製(ビニール袋)
ビニール袋と呼ばれる所以の素材。本来はこのポリ塩化ビニル製の袋がビニール袋だった。プラスチックのひとつで、比較的安価に制作することが可能。
燃やすとダイオキシンが出るとされ、最近では避ける傾向も…。
・ポリエチレン製(ポリ袋)
ビニール袋より後にできた素材。エチレン(C₂H₂)が重合した素材で、燃やしても有害なガスが出ないので、レジ袋や包装材など日常のさまざまな場面で使用される。
最近ではこのポリエチレン製のほうが主流。レジ袋など、ビニール袋と呼ばれているが実際はポリ袋であることも多い。
1-3 不織布製
不織布製の手提げは、強度が高く長時間の利用にも適しています。大規模なイベントや大学のオープンキャンパス、アパレルショップのショッパーなどで使われています。
不織布製手提げ袋の特徴
・柔らかく強度があり、通気性も良い
・印刷適性は低く、不織布製にフルカラーの印刷だと価格が高くなりがち
・納期もかかるため、余裕を持ったスケジュールが必要
・サイズや形状は自由が利きやすい
・リユース性が高く、エコバッグとして活用できる
・焼却処分も比較的容易
不織布製と布製の違い
不織布とは、通常の布と何が異なるのでしょうか?
通常の布は繊維を織ったり、編み込んだりするため、1本ごとの繊維の方向性には規則性があります。
不織布は布と異なり、織らずに繊維を圧着させたり、樹脂で固めたりすることで布状にします。つまり、繊維の方向性はランダムで互いに絡み合った素材のことを不織布というのです。
2.形状の種類いろいろ
手提げ袋の材質が決まったら、次に形状を考えましょう。
代表的なかたちには、以下のようなものがあります。
・角底
・平底
・トートバッグ(舟底)
・巾着
角底
底が四角い形をした袋のことです。
マチがあるため、厚みのある素材を選べば自立することが可能です。
マチの幅は底面で均一の幅になります。紙、ビニール、不織布などあらゆる素材で選ばれる最もポピュラーなかたちです。
平底
角底と異なり、底部分がない袋です。
アクセサリーなどの小物や、厚みのない資料・パンフレットなどを入れます。ばら撒き用のチラシやノベルティの配布などに適しています。
素材は紙、ビニール製がおすすめです。
トートバッグ(舟底)
トートバッグによく使用される形状の底で、底のマチが舟形をしています。
マチの幅は角底袋のように底面で均一でなく左右がすぼんでいるため、同じサイズでも角底袋よりも内容量が小さめに仕上がります。
素材は紙、不織布製がおすすめです。紙製だとお菓子や総菜など食料品を入れるのによく使われ、不織布製は洋服などのアパレル系が多いです。
巾着
角底や平底、トートバック(舟底)型の口部分に紐を通すことで、袋の中身を見せないようにできます。
紐を通す加工があるため、価格は高くなりがちです。紐を通す場所や素材など、印刷会社とよく相談しましょう。
素材はビニール、不織布製がおすすめ。柔らかい素材を選びましょう!
3.適切な持ち手・表面加工を考える
素材、形状を選んだら、持ち手(ハンドル)部分や加工について考えましょう。
3-1 持ち手(ハンドル)
手提げ袋のハンドル部分は、紙や紐、プラスチックを取り付けるタイプと素材本体に穴を開けた小判抜きタイプがあります。
小判抜きタイプ
取り付け方法は、穴タイプとOFJタイプがあります。
穴タイプは袋に穴を開けた後、手作業でハンドルを取り付けるタイプです。OFJタイプは機械によって全自動で取り付けるタイプで、折り返し部分に切れ込みを入れてハンドルを固定します。OFJタイプは取り付けられる紐の種類が限定されます。
紐の種類は、以下のようなものがあります。
・紙
・スピンドル丸紐
・アクリル平紐
・サテンリボン
・ハッピータック
紙製
両晒・未晒・晒クラフトなどの紙製袋との相性の良い紙製ハンドル。
袋全体に統一した素材感を出すことができます。
スピンドル丸紐
一般的な丸紐です。
さまざまな場面で見られ、どんな素材でも合わせられるオールマイティなハンドルです。ハンドルのほかにも、巾着袋の紐にも使えます。
丸紐の中には、ポリプロピレン製の光沢のあるツイストコードやパイレンなどの紐もあります。結婚式の引き出物など、高級感が求められる場面で使用されます。
アクリルテープ紐
平たい布製の紐です。
とても存在感があるため、手提げ袋のデザインをより引き立てることができます。
柔らかく高級感があり、長めにして肩から掛けても痛くなりにくいので、アパレルのショッパーなどに使われています。
サテンリボン
サテン製のリボンをハンドルにすることも可能です。
とてもエレガントで上品な印象を与えます。
スピンドル丸紐やアクリル平紐よりカラーバリエーションも多く、手提げ袋のデザインの幅を各段に広げることができます。サテンではなくリボンに縞模様のはいったグログランテープも柔らかい印象を与えます。リボンの結び目をハンドルの中央にしたり、ハンドル以外に袋の口部分の留め具にしたりすることも可能です。
ハッピータック
企業の手提げ袋などでよく見られる、プラスチック製のハンドルです。
ハンドル部分に留め具がついており、袋の口を閉じることができます。中身が見えないようにしたり、雨に濡れないようにしたりできます。
3-2 強度UPの加工
袋の強度をUPするための加工です。必ずしも必要なわけではありませんが、中に入れるものと素材によっては必須になります。印刷会社と相談して決めてみましょう。
・表面PP加工 ⇒ 表面の強度・防水性のUP
袋本体にポリプロピレン加工(PP加工)を施して、強度・防水性を高めましょう。
PPには2種類、グロスPP(艶があるタイプ)とマットPP(艶消しタイプ)があります。デザインや目指す仕上がりの質感に合わせて選んでみましょう。
・口ボール ⇒ 袋とハンドルのつなぎ目を補強
手提げ袋のハンドルが取れたら、困りますよね。
口ボールは袋の口部分にボール紙を取り付け、ハンドル部分の負荷に耐えられるよう補強する加工です。
・底ボール ⇒ 袋の底部分を補強
重いものを入れたら袋の底が抜けた!なんてことにならないように、底にボール紙を入れて補強します。
袋の製造過程で底は紙やビニールの接合部であることが多く、ボール紙を入れることで、重さを分散できます。ビニールや不織布などの柔らかい素材の場合、底ボールを入れることで、袋の形が整い美しくなります。
3-3 印刷特殊加工
よりオリジナル感を出すために、印刷特殊加工もおすすめです。
空押し
模様やロゴに凹凸を出して特別感がUP!
箔押し
ロゴやワンポイントに箔押しをすることで、華やかに目立たせ、高級感がUP!
UVシルク
マット系の紙にUVシルク加工をすることで、ロゴやイラストの存在感がUP!
まとめ.手提げ袋はブランディングの鍵
オリジナルの手提げ袋は、会社やお店・商品のブランディングに直結するアイテムです。
チラシやパンフレットと異なり、道行く人にも目にとめてもらえる可能性があり、デザインや仕様次第で十分な宣伝・販促効果が期待できます。
素材や色、重さ、持ち手部分の長さ、丈夫にしたい、中が見えないようにしたいなど、会社や商品のブランドに合わせて、ぜひアレンジをしてみましょう。おしゃれで普段も繰り返し使えるデザインなら、お客さまもウキウキしてくれるかもしれませんよ⁉