紙ソムリエの読み物

話題の「抗菌印刷」って?「抗ウイルス」との違いは何?

昨今の新型コロナウイルス感染拡大により、身の回りの衛生環境に対する意識が高まりましたよね。

「不特定多数の人が使うものに直接触れることへ抵抗を感じるようになった」
「安心して手に取ってもらいたい」
「感染症対策に積極的に取り組みたいけれど、どうしたらいいか分からない」

とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そんなときは「抗菌印刷」「抗ウイルス印刷」から始めてみるのはいかがですか。
この記事では、二つの違いを分かりやすく解説します。
「抗菌印刷」「抗ウイルス印刷」を活用して、企業のイメージアップにつなげましょう。

1. 抗菌印刷とは?

1-1 そもそも抗菌とは? 殺菌と除菌と何が違うの?

普段の生活でも「除菌」「殺菌」「抗菌」などの言葉はよく目にしますが、正直どんな違いがあるのかわかりづらいですよね。
はじめに、これらの違いを説明します。

除菌
細菌やウイルスを「取り除く」こと。菌の数や種類に関係なく、菌を減少させることが出来れば除菌といえます。つまり、流水で手に付いた菌を洗い流すのも除菌です。

殺菌
細菌やウイルスを「殺す」こと。こちらも菌を殺す数や種類に明確な決まりはありませんが、菌を「取り除く」のではなく「殺す」ため除菌より強い意味を持ちます。「殺菌」という言葉は、薬事法で分類された製品にのみ使用できます。

滅菌
「滅菌前の状態から、微生物の数を100万分の1以下に減らすこと」と定義されています。有害・無害に関わらず全ての菌を死滅または除去することです。

抗菌
細菌やウイルスの「増殖を抑える」こと。菌は増殖したときに悪影響を及ぼすため、菌が住みにくい環境をつくり、増えないようにすることが大事です。

1-2  抗菌印刷とは?

抗菌印刷とは、抗菌剤入りのニスやフィルムを用紙の表面にコーティングすることで、抗菌効果のある衛生的な印刷物に仕上げる方法です。

抗菌剤入りのニスやフィルムを施すことで、大腸菌や黄色ブドウ球菌などに優れた抗菌力を発揮します。
使用するニスとフィルムは、各種検査機関の検査で合格したものなので安心してご利用いただけます。

2. 抗ウイルス印刷とは?

2-1 ウイルスとは?

一般的に細菌の大きさは約1~10μmであるのに対し、ウイルスは約数十~数百nm程度で、細菌の100~1000分の1程度の大きさです。

「細菌」は一つの細胞から成り立つ単細胞生物なので、栄養さえあれば簡単に増殖することができます。一方で「ウイルス」はとても小さく、自分で細胞を持たないので他の細胞に入り込んで増殖します。
よく耳にするインフルエンザ、肝炎やRSウイルス感染症もウイルスが原因の病気です。

2-2 抗ウイルス印刷とは?

抗ウイルス印刷とは、印刷面に抗ウイルスのための特殊なコーティングを施すことです。それにより特定のウイルスの数を減少させ、印刷物を清潔に保ちます。

※抗ウイルスとは、ウイルスの組織を破壊して感染力を失わせ、活動を停止した状態にさせることを定義します。

3.抗菌印刷・抗ウイルス印刷のメリットとオススメ活用例!

3-1 抗菌・抗ウイルス加工のメリット

細菌が少量ならば害は現れにくいですが、一定量を超えて大量に増殖すると人体への悪影響が生じます。
抗菌・抗ウイルス加工をすると製品の表面での細菌の増殖を防げるので、人体への影響を最小限に抑えることができます。

≪抗菌・抗ウイルス加工のメリット≫

・信頼度
衛生対策に取り組んでいる事をアピールできる
・安心性
検査機関の検査に合格した抗菌ニスだから小さいお子様が手に取っても安心
・差別化
印刷物に抗菌という付加価値をつけることで競合品との差別化が図れる

※抗菌・抗ウイルス加工は、人体への影響を限りなく小さくするためのものであって、病気の治療や予防を目的とするものではありません。

3-2 抗菌・抗ウイルス印刷にオススメ

通常の印刷用紙であればほとんどの印刷物に加工可能なため、様々なシーンで活用できます。

ビジネス
抗菌印刷を利用することで安全性への配慮をお客様にアピールし、さらに他社との差別化と企業のイメージアップにもなるでしょう。
例)会社案内、名刺、封筒、紙袋

病院
日常的に厳しい衛生管理を求められる医療業界において、抗菌・抗ウイルス加工済のパンフレットやカルテなどを使用することで、印刷物までに衛生管理が行き届いていることを示し、さらなる信頼獲得につながります。
例)診察カード、お薬手帳、クリアファイル

飲食店
外出時のマスク着用が当たり前となったいま、抗菌・抗ウイルス加工されたマスクケースがあればお客様も気持ちよく過ごすことができます。
例)メニュー、チラシ、マスクケース、ランチョンマット、商品ラベル

教育機関+書店
学校などで共有して読まれる本の表紙に、抗菌・抗ウイルス加工が施されていればお子様も安心して手に取ることができます。書店においてノベルティグッズとして、抗菌加工・抗ウイルス加工されたブックカバーやしおりが人気です。
例)書籍、ノート、ブックカバー

4.抗菌印刷豆知識 ~耐久性・ニスとフィルム・マークの表示~

ここまで「抗菌印刷」「抗ウイルス印刷」とは何かを説明してきました。
ここからは「抗菌印刷」「抗ウイルス印刷」について知っていると役に立つ知識を紹介します。

4-1 抗菌効果はどれぐらい保つのか?

表面の抗菌コート部分が剥がれ落ちない限り、長期にわたって効果が継続します。
ただし、表面を削る、強くこすり続けるなどの摩擦によって、その部分のコート剤がはがれてしまい効果が薄れてしまう場合があるので取り扱いには注意が必要です。また、表面が汚れたままだと抗菌効果が発揮されないので抗菌加工が施された製品であっても清潔に保つように心がけましょう。

4-2 ニスとフィルムの違い

抗菌加工を施すには、主に2つの方法があります。

ニス加工
印刷物の表面にニスを塗布する加工
フィルム加工に比べ、強度が弱く色落ちを完全に防ぐことはできませんが、コストを抑えることができ、ニスで柄を表現することができるためデザイン性に優れているのが大きな魅力です。
加工例:会社案内、パンフレット、チケット、ランチョンマット、絵本、ブックカバー、名刺、カレンダー、マスクケース、クリアファイル

フィルム加工
ポリプロピレンフィルム(PP)を印刷物の表面に貼り付ける加工。PP貼り加工ともいいます。
印刷物の強度をアップさせ、色落ちを防ぐ効果に優れています。
加工例:家庭や医療、教育現場、公共施設などのディスプレイ、タッチパネル用表面フィルム

4-3 マークの表示

SIAA(抗菌製品技術協議会)の定めた3つの基準「抗ウイルス性または抗菌性」「安全性」「適切な表示」を満たした製品に、「抗ウイルス」または「抗菌」のSIAAマークが表示されます。

抗菌性
抗菌加工されていない製品の表面と比較し、細菌の増殖割合が百分の一以下であり、耐久性試験後も抗菌効果が確認されること。抗菌性は国際標準ISO22196に準じて行われた試験の結果にもとづいて判定されます。
・安全性
SIAAが独自に決めた安全性基準を満たしていること。
・適切な表示
抗菌剤の種類、加工部位を明示していること。

SIAAマークとは(https://www.kohkin.net/mark.html

SIAAマークを取得・表示することで、商品への信頼度が高まり、消費者に安心して手に取ってもらえます。
当サイト『紙ソムリエ』でも対応可能ですので、お気軽にご相談ください。

まとめ.正しい知識で「抗菌」「抗ウイルス」印刷を使いこなして、企業のイメージアップに!

菌とウイルスは異なる性質を持つため、「抗菌印刷」と「抗ウイルス印刷」ではそれぞれ抑制する仕組みが違います
昨今流行している新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスには「抗ウイルス印刷」が効果的です
安心安全な製品を提供するためにも、「抗菌」「抗ウイルス」の正しい知識を持ち上手く扱っていきたいですね。
「抗菌印刷」「抗ウイルス印刷」を活用することで、企業のイメージアップとSDGs(※)の目標3「すべての人に健康と福祉を」への貢献にもつながっていくでしょう。

(※)SDGs…持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
By 外務省 JAPAN SDGs Action Platform 
SDGsとは?(https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/index.html

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