紙ソムリエに質問

企画・販促など
よはねす・ぐーてんもるげん様
活版印刷は時代遅れですか?

ご相談ありがとうございます。

活版印刷、素敵ですよね。時代遅れどころか流行と言ってもいいくらいです!

古くは11世紀に中国で用いられ、朝鮮半島に渡り、15世紀にヨーロッパで確立された活版印刷は、印刷の歴史を語るうえでは欠かせない画期的な発明でした。昔は「印刷」といえば、「活版印刷」を意味しましたね。

インクジェットプリンターやオフセット印刷技術の発達につれて影をひそめましたが、90年代ごろからアメリカの若いデザイナーたちに着目され、レタープレスブームを巻き起こしてヨーロッパや日本にも伝わってきました。

昨今はその活字を押しつけることによる凸凹とした質感や、インク溜まりやかすれなど、活版印刷独特の風合いがビンテージ感として再評価されています。

最近では活版印刷をテーマにしたイベントや、活版印刷を体験できるワークショップも催されているほどです。活版印刷の文具雑貨も人気です。

名刺やショップカード、グリーティングカード、商品タグ、ウェディングのペーパーアイテムなどは身近な使用例と言えます。

オフセット印刷ほど色の表現に優れてはいませんが、タイトルやキャッチコピーなど、印刷物の一部分だけにあえて活版印刷を用いることでメリハリやインパクトをもたらすこともできます。

ザラザラとした質感やナチュラルな色合いをもつファンシーペーパーに活版印刷を施せば、紙の柔らかさも強調され、あかぬけつつもレトロ感アップです。

活版印刷はとても手間のかかる工程です。

活字を選ぶ、文字を組む、インキを塗布する、紙に圧をかける、インキが乾くのを待つ――。デジタル全盛の今、そうした「ハンドメイド感」や「作る人の手のぬくもり」が、かえって新鮮に若い人たちの感覚にも訴えかけるのかもしれません。

今も昔も変わらずに愛される活版印刷、ぜひ活用してみてはいかがでしょう。

MENU CLOSE