紙ソムリエの読み物

色のイメージと配色について 後編

前回の記事【色のイメージと配色について 前編】は読んでいただけましたか?

春は桜やひな祭りを印象付ける淡いピンク色、冬には雪をイメージした白や暗めの青・紫などの寒色系…など季節ごとの配色についてご紹介しました。

こちらの記事では、色のイメージから連想される配色について解説します。

1.さまざまな色のイメージから作られる配色パターン

以前「色のイメージ」で取り上げたように、色ごとにさまざまなイメージや心理的効果などがあります。これは配色も同様で、さまざまな色のイメージや心理的効果から作られる配色があります。

色の組み合わせからイメージできる配色名がそれぞれについているので、いくつか解説していきましょう。

エレガント

エレガントは優雅で上品な大人の女性らしいイメージの配色です。

淡い紫系の色がイメージカラーに適しています。全体的に中〜低彩度、高明度な淡い色でまとめるとよりエレガントさが表現できるでしょう。

ロマンチック

ロマンチックは、可憐で純真なイメージの配色です。

エレガントと同様に、こちらも女性に好まれる配色になります。エレガントは紫系の色を基調としていましたが、ロマンチックは淡いピンク黄色が適しています。白や淡い水色などを配色に加えると、透明感が表現できます。全体的に中〜低彩度、高明度な淡い色でまとめて柔らかいイメージで配色すると、よりロマンチックな印象になるでしょう。

プリティ

プリティは、キュートでかわいらしい、甘いイメージの配色です。

女性に好まれる配色で、淡いピンクを基調としているので、ロマンチックと似ていますが、淡いピンク系の同系色でまとめた配色にするとより甘くかわいらしいプリティなイメージになります。淡いピンクの補色で、淡い黄緑などの色を加えることで、元気な小さい女の子のようなあどけない印象になり、目を引く配色になるでしょう。

ナチュラル

ナチュラルは、自然の中で実際に見られる色で作られる配色です。

自然なイメージ、やすらぎやのどかなイメージにしたいときに適している配色です。自然の中に実際に存在する、緑色茶色を基調とした配色で、淡いベージュっぽい茶色や低彩度の灰みの緑色を使うとやすらかで落ち着いた印象にもなります。また、高彩度の緑に鮮やかなオレンジや黄色を組み合わせた配色にすると、野菜や果物などをイメージできて、フレッシュな印象になります。

カジュアル

カジュアルは、楽しく元気なイメージの配色です。

普段になじむ自由なファッションや生活を楽しみたいときに適している配色です。太陽を感じさせるオレンジ黄色などの暖色系を基調とした配色で、高明度・高彩度の色でまとめた配色にするとよりカジュアルなイメージになります。配色に白を入れると爽やかな、青系などの寒色系を入れるとクールな印象を加えることができます。

シック

シックは、静かで知的なイメージの配色です。

「都会的な」というイメージもあります。高明度〜低明度の無彩色のグレーを基調とし、そこに灰みの青を組み合わせていきます。知的でクールなイメージなので、男性に好まれる配色でもあります。差し色に紫系の色を加えるとおしゃれになりますよ。トーンは、ライトグレイッシュトーンやグレイッシュトーンが適しています。

モダン

モダンは、「現代的な」という意味があり、最新のものを取り入れる人工的でシャープなイメージの配色です。

無彩色を使用したコントラストの大きい配色が特徴です。無彩色と組み合わせるのは寒色系なので、男性に好まれる配色でもあります。無彩色が高明度であれば低明度な寒色系、無彩色が低明度であれば高明度な寒色系というように、組み合わせる色同士で明度差や彩度差を出してコントラストを大きくし、メリハリをつけることでよりモダンなイメージになります。

クラシック

クラシックは、配色以外でも表現されているような、伝統的・古典的でアンティークなイメージの配色です。

ダークトーンやグレイッシュトーン、ダークグレイッシュトーンあたりの低明度・低彩度な暖色系を基調とし、組み合わせる色も同系の色相とトーンを使うことで、重厚感がありながらあたたかみを感じられる落ち着いた配色になります。アクセントカラーに彩度が高めの色を使う場合は、ディープトーン程度の低明度なトーンを使うと、クラシックのイメージを損なうことなくなじむでしょう。

クリア

クリアは、その名前のとおり透明感があり、純粋で爽やかなイメージの配色です。

無彩色の白と、中〜低彩度で高明度な寒色系の色を組み合わせた配色が一般的です。全体的に彩度が低めですが白と寒色系を組み合わせることで、落ち着いた印象になり、清潔なイメージにもなります。

アクティブ

アクティブは、活動的で躍動感や刺激をイメージする配色です。

高彩度な色相と無彩色の黒を組み合わせた配色が一般的です。カジュアルにも似ていますが、より力強い印象になります。また、無彩色の黒を白に変えることでスッキリした印象になり、カジュアル寄りの配色にもできます。

ダイナミック

ダイナミックは、アクティブと似ていますが、アクティブよりも大胆で迫力のある豪快なイメージの配色になります。

アクティブは無彩色の黒と高彩度な色相をさまざまに組み合わせた配色でしたが、ダイナミックは無彩色の黒にオレンジ赤紫などの暖色系のみを組み合わせるので、より情熱的なイメージになります。

まとめ.TPOに合った配色を意識してデザインしましょう

前編と後編あわせて、ターゲットや目的・場面ごとに好まれる配色や、季節や色のイメージから作られる配色について解説してきました。

色ごとにさまざまなイメージや心理的効果があるように、人は性別や季節などのイメージの色も感じています。それらを理解し、ターゲットの世代や性別を考慮しながら配色を行うと、よりよいデザインが出来上がるでしょう。

次回は、配色技法など、配色についてさらに深く解説していく応用編になります。トーンごとに表現されるさまざまな配色技法など、配色についてもっと知りたい方は、ぜひそちらもご覧ください。

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