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【デザイン参考付き】おしゃれなチラシを作るコツ/ポイント13選!

チラシを作成する目的は主に、集客や販促、宣伝、告知かと思います。見てくれた人(仮にユーザーと呼びます)の心に響き、お買い物や申し込み、イベント参加といったその後の行動に結びつけたいというのが多くの方にとっての狙いではないでしょうか。チラシはA4やB4などデザイン面積が限られている分、一目見たときの印象で、ユーザーが興味を持つかどうか決まります。デザイン性の高いチラシは、訴求の入り口としてユーザーに良い印象を与えます。

この記事では、おしゃれなチラシを作るコツやポイントをご紹介します。見た目の前に、チラシとして効果を発揮する基本ルールから解説していきますので、デザイン初心者さんもそうでない方も、今後のチラシ作りにお役立てください。

1.効果的なチラシに共通する、基本的な3つのルール

基本ルール1. パッと一目で商材のメリットが分かる

チラシはパッと一目見ただけで、メリットが分かることが大事です。たとえば、ターゲットに刺さるようなキャッチコピーがあったり商品の魅力が目立っていたりすると、詳細まで目を通してもらいやすくなります。

刺さるような、と言っても難しいですよね。コピーやリード文を作る際は、数値を入れるとユーザーに響きやすいです。人は自分にとって有益な情報に目がいきます。お手頃さが売りなら価格をアピールして、スピードや品質が売りならそれをストレートにアピールします。他社製品や従来の製品にない機能を持っていたら、その差を具体的に数値化できないか考えてみてください。

数値化が難しい場合は、それを手にしたことでユーザーの日々の生活がどう変わるかを考えてみましょう。
良品質なモノやサービスがあふれている今日では、重視されるのは「モノ消費」よりも「コト消費」「トキ消費」とも言われています。高級な料理や車、電化製品やブランド物といった目に見える価値よりも、その商品やサービスを購入したことで得られる体験・時間・思い出といった目に見えない価値のほうが、人々の心をつかみやすくなっているのです。チラシの中の商材を通じてどんな体験を提供できるか、そこから得られる満足感などを言葉にしてみてください。

また数字の関連として、リリース時期やオープン日時など、日付と時間も重要な情報です。
なぜなら、ユーザーの動きに直接的に関係してくるからです。記載漏れや誤った記載はトラブルの原因となり、本来なら不要なお問い合わせを招くかもしれません。全体のデザインに見合ったフォントで、太く大きめに、目立つようにして入れましょう。
お得なキャンペーン期間を記して、「このチャンスを逃さないようにしなくちゃ!」と購買意欲をかき立てるのも効果的です。

基本ルール2. ターゲット&コンセプトが明確になっている

続いてチラシ制作において大切なのは、ターゲットとコンセプトが明確になっていることです。

ターゲットとは、そのチラシを見せたいユーザーの性別・年齢層・職業・生活環境などです。この順番に決めていくと良いでしょう。訴求内容とターゲットのマッチングを疎かにして、幅広くどんな人にでも刺さるチラシにしたいと欲張ってしまうと、デザインはごちゃつき、キャッチコピーも曖昧になり、何を伝えたいチラシなのか分からなくなってしまいます。1枚のチラシで伝えられる情報には限界があります。1枚のチラシにつき1つの性別・年齢層・職業・生活環境、と思ってください。

コンセプトとは、そのチラシを見てユーザーにどう動いてほしいかという狙いです。チラシに関わらずデザインの基本として、5W1Hを意識するとその媒体が何を伝えたいのかが明確になり、ユーザーに届きやすくなります。

【5W1H】
・When:いつ
・Where:どこで
・Who:誰に向けて
・What:何を
・Why:なぜ
・How:どのように

例えば、新しくオープンするカフェを告知するチラシを作成するのなら、以下のような5W1Hが想定されます。

・When(いつ):3月6日の朝8時から
・Where(どこで):○○市××でオープンするので
・Who(誰に向けて):近隣にお住まいの方に
・What(何を):告知とオープン記念サービスのお知らせをしたい
・Why(なぜ):集客のために
・How(どのように):チラシを手配りして宣伝する

その中でも特に大事な情報を際立たせることで、レイアウトや文字の大きさが変わってきます。
基本的には、ユーザー目線で5W1Hの優先順位をつけていきましょう。オープン告知のチラシであれば、「When(いつ)」「Where(どこで)」「What(何を)」と、あとは、どんな雰囲気のカフェができるのかが知りたいですよね。一例として以下のようなデザインにしてみました。

「NEW OPEN」と「3/6(日) 8:00AM」を目立たせて、真ん中には住所を表示、お店の自慢のラテアートや自家製パンを見せて、カフェの雰囲気が伝わりやすいようにしました。チラシを持って来店してくれたお客様に向けて、特典のクロワッサンもお知らせします。

お店の目の前で手配りするチラシならこれで十分かもしれませんが、駅前や通行量の多い通りではどうでしょうか。店名や場所が少し分かりづらいかもしれません。では、商品の写真を減らして地図を入れてみましょうか。店名とロゴを際立たせてみましょうか。裏面もデザインするなら、特典情報は裏面に移した方が良いでしょうか。

こうして5W1Hを決めて、その優先順位まで意識することで、デザイン全体に心配りがなされます。ターゲットとして定めたユーザーにどうしてほしいのか、そのためには何を伝えるべきなのかを考えてみてください。「おしゃれなチラシにしたい!」と思って紙面に配置する写真やコピーは、ターゲットとコンセプト(5W1H)の次に選ぶ項目です。

基本ルール3. レイアウトが整っていて見やすい

集客や販促に成功しているチラシはどれも、レイアウトがシンプルに綺麗に整っています。
整ったレイアウトのコツは、「揃えること」と「詰めすぎないこと」です。
それぞれ気をつけるべきポイントをまとめます。

【揃える】
・横並びになった画像の位置、サイズ、高さは均一にする
・テキストの文頭揃え、文末揃え、中央揃えを意識する
・書体は統一する

【詰めすぎない】
・一番伝えたい内容以外はできる限り省く
・文字と文字の間、文字と写真の間、文字と紙面の端の間には適度な余白をとる
・使う色は3色以内(ベースカラー:70%、メインカラー:25%、アクセントカラー:5%)

まだまだノウハウはありますが、ひとまずはこのくらいにしておきます。
【揃える】は意識できても、デザインに不慣れだとつい色を使いすぎたり、余白が気になったりしてしまいます。あれもこれもと情報を盛りこみたくなりますが、情報を詰めすぎると伝えるべき内容がブレて、レイアウトも乱れ、手に取ってもらえません。チラシのデザインは足し算ではなく、引き算を意識しましょう。
人の視線の動きと言われている、「Z」の形に添ってレイアウトするのも効果的です。

それから、デザインの途中や完成後に客観的な視点で見直すことも大切です。
遠目に見て、なるべく多くの第三者に意見を求めて、バランスがおかしくないかを確認してみましょう。
スケジュールにゆとりがあるようでしたら、デザインが仕上がった後に1日以上おいてから見直してみてください。完成直後には見落としていた、思わぬレイアウトの乱れや誤字に気づけるものです。

2.おしゃれなチラシを作るコツ/ポイント13選!

ここからは、いよいよおしゃれなデザインのチラシをつくるコツをご紹介します。
先ほどの基本ルールをふまえて、+αで差をつけたい!そんな方のためのテクニックとなります。もちろん商材によってさまざまなアプローチがありますが、そのなかでも多くのデザインに共通するであろう13個のポイントが以下の通りです。

1. 背景には美しい写真を使用する
2. 背景をカラフルな色で塗りつぶして文字を白抜きする
3. 背景にテクスチャ素材の画像を使ってみる
4. アイコンを据えて華やかにする
5. 写真や絵の代わりに円や四角などの形を活用する
6. 文字をユニークに配置する
7. 余白は大胆に十分にとる
8. フォントサイズを大きめにする
9. 数字を目立たせるようにしてみる
10. スケッチ風や手書き風のフォントを使う
11. 季節感をイメージできるイラストを使う
12. 写真を中心に、フォントの大小や配置にメリハリをつける
13. 人目を惹くユニークなフォントに変えてみる

簡単ではありますがデザイン例と一緒に解説しますので、ひとつずつ見ていきましょう。

ポイント1. 背景には美しい写真を使用する

おしゃれなチラシを作るときに最も簡単な方法が、背景に美しい写真や画像を使うことです。自然や美味しい食べ物、動物や子どもなど、多くの人が好意的に見られる写真や画像を背景にして、文字を入れると、それだけでインパクトがあります。
写真は陰影の強いものを使って、添えるキャッチコピーやモチーフを細く白抜きにすると、繊細で美しいメリハリがつきます。写真や画像を用意できない場合は、無料のダウンロードサイトを活用して、象徴的で内容にふさわしい写真を見つけてみてください。ただし、ダウンロードサイトは商用利用可能かどうか必ず確認しましょう。

ポイント2. 背景をカラフルな色で塗りつぶして文字を白抜きする

写真がなくても、背景をカラフルな色で塗りつぶして、文字を白抜きにすると印象的に見えます。文字が際立つため、キャッチコピーのパンチ力が試されますね。
赤色+青色など正反対の原色をいくつも使って派手にしすぎると、目に痛くて文字も目立たず、手を抜いた印象になることもあります。グレー系やベージュ系の淡い色を使う場合も、白抜きの文字がぼやけて眠たい印象になりがちです。文字がしっかりと浮かび上がる、中間色のグラデーションのような背景がおすすめです。

ポイント3. 背景にテクスチャ素材の画像を使ってみる

背景にテクスチャ素材の画像を使うとおしゃれに仕上がります。テクスチャ素材とは、視覚的な明暗をつけて物体の表面や質感が表現されたものです。似たような色合いであっても、明暗をつけることで奥行きが表現できます。
グレートーンだと品が良く、シンプルながらも格式高い印象になります。

ポイント4. アイコンを据えて華やかにする

象徴的なアイコンを散りばめると、デザインが華やかに見えます。もちろん訴求したい商品やサービスに関連したアイテムでなければなりません。背景に入れてパターンにすることで、余白だった部分がポップにかわいらしく仕上がります。メインとして見せたいテキストは、太めの線の四角形などで囲い、背景にとけこまないように境界線を強調しておきましょう。

ポイント5. 写真や絵の代わりに円や四角などの形を活用する

写真やイラストの代わりに円や四角形などの図形を活用すると、概念的で少し不思議な雰囲気になります。テキスト部分のメッセージ性が際立ち、さらに余白を付けることで、見る人の想像力がかき立てられます。
細い線を何重にも組み合わせた幾何学模様にすると、よりアーティスティックな方向に振れます。人間味が希薄になる点が、あえておしゃれに見える例です。

ポイント6. 文字をユニークに配置する

少し上級テクニックになりますが、文字の並びをユニークにすると個性がアップします。画像のチラシは文字の並びをあえて傾けて、歪んだ空間を演出しています。
傾けるだけでなく、縦書きと横書きを組み合わせたり、人の視線の動きを利用して「Z」や「N」をなぞるように配置したりしても面白いですね。「なんだか変わっている」「ちょっと読みづらい」といった引っかかりが注目を集めます。

ポイント7. 余白は大胆に十分にとる

チラシは文章や写真の掲載スペースに限りがありますが、余白を十分にとることで見やすく、こなれた印象になります。画像のように文字を小さめにして、ロゴやモチーフなどとグッと距離を置くと、見た人にも一拍のゆとりが生まれます。あえてそぎ落としたようなレイアウトが余裕を感じさせ、洗練された印象につながるのです。

ポイント8. フォントサイズを大きめにする

フォントサイズを大きくすることで、文字自体がデザインの要素として活かされます。その際は、左右の文頭と文末を揃えると綺麗に見えます。
おしゃれでインパクトの強いフォント使いには、適度に丸っこくて太めの文字が適します。フォントが主役になるので、背景の主張は抑えましょう。写真はモノトーンにすることでバランスがとれます。

ポイント9. 数字を目立たせるようにしてみる

数字を大胆に目立たせることもチラシのインパクトを強めます。数字にはクセがないので、単色で大きく真ん中に置いても全体の雰囲気を壊しません。開催日時や価格など必要な情報を大きく目立たせることで、ユーザーにとっても分かりやすいチラシになります。
同系統の数字は視認性が落ちないように、同じ色、同じフォントにしましょう。例えば年月日、開始時刻と終了時刻、同一紙面に並んだ商品の価格などです。

ポイント10. スケッチ風や手書き風のフォントを使う

手書き風のフォントを使うことで、躍動感や親近感を演出できます。
子ども向けの商材であえて子どもが落書きしたような拙い意匠を入れたり、毛筆のフォントで和風を強調したり、紙面全体に罫線をデザインしてお手紙のように見せたりと、ハンドメイドなデザインにすることで、訴求内容をより身近に感じてもらえるでしょう。躍動感がある、人の手の温もりが感じられるというのは、動きや声のないチラシにとっては大切な要素です。

ポイント11. 季節感をイメージできるイラストを使う

季節感をイメージできるイラストや写真を使うことで、チラシの内容をパッと一目で理解しやすくなります。
「春=桜、入学式、鯉のぼり」「秋=紅葉、読書、スポーツ」など年間を通じてさまざまな風物詩がありますね。季節感を演出したいときは、イラストでワンポイント取り入れるだけでも効果的です。また、季節感にはそれにふさわしいカラーリングも重要です。ハロウィンにちなんだ訴求ならオレンジ・黒・紫、クリスマスなら赤・緑・白・ゴールドといったように、背景や帯のアクセントで色を差しておくのも雰囲気が出ます。

ポイント12. 写真を中心に、フォントの大小や配置にメリハリをつける

色とりどりでキャッチーな写真を主役に据え、その周りに個性的なフォントを散りばめることで、写真を際立たせながらも余白にメリハリがつき、洗練されたデザインになります。
繊細かつ時に大胆なフォント使いと絶妙な配置バランスで、商品がより魅力的に映えることでしょう。画像のように、季節感を盛り上げるエフェクトをちょい足しするのもテクニックです。写真を邪魔しない程度に全体のバランスをとりながら、相性の良いフォントをいくつも使い分ける必要があるので、やや上級テクニックですね。

ポイント13. 人目を惹くユニークなフォントに変えてみる

フォントをユニークなものに変えると、アイキャッチのような役割を果たして第一印象が良くなります。フォントをカラフルにすると、文字だけでも生き生きとして主役になります。
基本中の基本ですが、見やすくて柔らかい印象にしたければゴシック体、堅く誠実に綴る文章であれば明朝体などといったように、フォント選びはチラシにおいて非常に重要です。
デザイン性が高くて選択肢の多いフリーフォントを活用するのも良いですが、たとえ「商用利用可」でも使える範囲が限定されていたり、変形や加工は禁止されていたりします。使用する前には必ず利用規約をよく読みましょう。

まとめ.デザインのコツをつかんでおしゃれなチラシを作ろう

チラシは手で配られたり、特定の場所に集めて置かれたり、新聞折り込みの広告に利用されたりと、私たちの生活の中で目に留まる機会はあっても常に掲示されているものではありません。だからこそ、一目見たときの「見やすい」「分かりやすい」「おしゃれ」といった印象が大事になります。
ご紹介した基本ルールやデザインのコツを活かして、今後の制作にお役立ていただければと思います。
しかし、デザイン経験のない初心者さんがいきなりおしゃれなチラシを作るのは、難しいものです。そんなときは紙媒体のデザイナーや印刷会社に相談してみましょう。当サイト『紙ソムリエ』では、チラシをはじめとしたさまざまな印刷物の企画・デザインから納品まで一貫体制で行っております。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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