紙ソムリエの読み物

会社案内の作り方!必須項目と制作の流れまでご紹介

「ホームページがあれば会社案内は必要ないかも…」
「会社案内の制作を任されたけど、どんな情報を載せたらいいか分からない」

ホームページには多くの情報を盛り込むことができますが、その分知りたい情報にたどり着くのに時間がかかります。
これに対し、紙で作る会社案内は、自社の魅力を端的に伝えることができます
自社をはじめて知る相手に良い印象を与えるため、魅力を最大限に伝える会社案内を制作しなければなりません。

この記事では、会社案内に必ず載せるべき基本情報や制作の流れに加え、デザインや仕様についてもご紹介します。

1.会社案内の重要性

会社案内を作るとき、読んでもらいたい相手は誰なのかどうして会社案内を作るのか、目的をきちんと決めることが大切です。

特に最近は、新型コロナウイルスの影響で対面でのやりとりが少なくなっており、限られた機会の中で効率よくアピールする必要があります。

1-1 ブランディング

ブランディングとは、企業がもつ「商品やサービス、または会社そのものに対してユーザーにこう思ってほしい!」というイメージを、ユーザーに認識・浸透させるマーケティング戦略のことです。 
ブランディングによって、他社との差別化をはかり自社の価値を向上させることができます。 

ブランディングを主目的とした会社案内では、企業理念や自社の強みを丁寧に伝え、共感を得られる内容にしましょう。 

ターゲット:株主や投資家など 
目的:企業の理念や価値を知ってもらい、信用性を高める 
内容:企業の歴史や、商品・サービスが誕生した背景、これから目指す企業像など理念に重点を置く 

1-2 営業

新規顧客を開拓する際に、自社がどんな会社でどんなことを得意としているのかを口頭だけで余すことなく説明するのは難しいですよね。そんな時に役に立つのが、会社案内です。 

他社との差別化を図るため、企業理念に加え、企業独自の生産技術や生産体制を記載することが大切です。生産体制が整っていることは、コストや納期について臨機応変に対応できるというアピールになります。 

商品やサービス情報も記載する場合は、仕様変更などの情報改定を忘れないように注意しましょう。 

ターゲット:新規顧客 
目的:新規顧客を獲得するため、企業と商品・サービスの魅力を伝える 
内容:企業理念に加え、自社独自の商品やサービスなどのアピールポイントを前面に押し出す 
主な配布場所:顧客先、展示会イベント 

1-3 採用

就職活動では、ほとんどの人が何社もの会社を見て回ることと思います。会社案内を渡せば、後から見返すこともでき、効果的に自社をアピールすることが可能です。 

先輩職員のインタビュー記事や仕事風景などを入れると、入社後の働くイメージがわきやすくなります。さらに、整った研修制度や出産後の働きやすさなど、福利厚生を含んだ自社で働くメリットを載せて、一緒に働きたいと思ってもらえるような内容にしましょう。 

ターゲット:入社希望者 
目的:優秀な人材を確保する 
内容:事業内容や自社で働くメリット、入社後の働き方などを分かりやすいことばで、イラストや写真を多く使用して伝える

2.会社案内に必要な情報はこれだけ!

2-1 企業理念

企業理念とは、その会社が存在する意義を明確に示したものです。 
長い歴史を持つ会社や成功を収めている会社には、必ず企業理念が存在します。 

企業の考え方や価値観、社会貢献している事柄、目指す企業像などを、インパクトのあるワードや画像を使用して伝えましょう。 

はっきりとした企業理念を掲げることは、理念に共感してくれる投資家や優秀な人材を確保することにつながります。 

伝えたいことがたくさんあっても、あまりにも長すぎる文章になってしまっては逆効果です。 
そんな時は要点を絞り、箇条書きで5つ程度記載するのがおすすめです。 

2-2 事業紹介

自社の展開する商品やサービスの説明を、画像や事例などとともに詳しく掲載します。 

さまざまな商品・サービスを取り扱っている場合には、あれもこれも紹介したくなるところですが、特に主力となるもの数点に絞った方が、すっきりと見やすくなりますよ。 
タイトルを書き、その下に詳しい説明という形が定番で、簡単に整ったデザインに仕上げられます。 

事業紹介は、会社案内の中でも一、二を争うくらい大切な項目です。 
商品・サービスの特徴や他社にはない強みなど、アピールポイントを明記しましょう。 

2-3 会社概要

会社概要は、簡単に言うと会社のプロフィールです。 

ある程度書くことが決まっているので、作成するのはむずかしくありませんが、相手が知りたい情報を正確に記載する必要があります。 

最低限記載したい項目は、会社名、住所、電話番号、代表者名、主な事業内容、設立年月日、資本金、従業員数です。さらに、売上高や主要取引先、取引銀行などの記載があれば、信頼度が高まります。 

また、国内の業者との取引に限りませんので、会社名の欄には英語表記も載せるようにしましょう。いつでも相手の目線に立って情報を提供することが大切です。 

2-4 沿革

沿革は、会社の歴史を示すものです。 

開業や上場、所在地が変更になったときなど、会社の変化に合わせ時系列で記載します。他には、資格取得や認証を受けた年、独自開発した商品やサービスが発売された年なども記載すると良いでしょう。 

歴史が長い企業であれば、経営が安定していることや、これまでの実績などをアピールできます。歴史の浅い企業は、必ずしも記載する必要はありません。 

会社概要と同じページに記載するのも良いですが、記載したい内容が多い場合は、会社沿革だけのページを作りましょう。 

2-5 代表挨拶

代表挨拶は、信用・信頼を得るための大切なコンテンツです。 
記載する項目は、起業理由や経営方針・経営理念、今後の目標などです。堅苦しい言葉遣いや差別的な表現は使用せず、ポジティブな言葉で表現するように心がけましょう。 

長い歴史を持つ会社であれば、事業を継続していく上で困難な場面に遭遇した経験があると思います。その時どのように乗り越えて、どのような成果を生み出したのかというエピソードがあれば、社会情勢が不安定な中でも信頼を得ることができるはずです。 

 メッセージだけでなく、顔写真も記載すると信頼度がアップしますよ。 

3.会社案内制作のポイント

3-1 企画

「誰に」「何のために」会社案内を作るのかを明確にしましょう。会社の魅力をしっかり伝えるための大切なステップです。 

コンセプト設定 

「会社をたくさんアピールしたくて、長文になってしまった…」 
「自社商品・サービスを紹介したいけど、どれを載せたらいいのかわからない…」 
内容を詰め込みすぎて、読みにくい会社案内では何の効果も得られません。ここでしっかりと軸を定め、簡潔で読みやすいものを目指しましょう。 

仕様 

形状によって、会社案内のイメージや載せられる情報量は大きく変わります。 
最もよく採用されているのが中綴じタイプです。冊子にすることで、前から順番に見る導線ができあがっているので構成がしやすいです。 
折り加工タイプは、展開した時にワイドでインパクトのある会社案内に仕上がります。折加工にもたくさん種類があり、それぞれにメリットがありますので、ぜひこちらを参考にしてください。

他にも、ポケットをつけた表紙にペラの用紙を差し込んだポケットホルダータイプもあります。載せたい情報の量・予算などをふまえてぴったりな形状を選びましょう。 

スケジュール 

納品に向けてスケジュールを決定します。
印刷物ができるまでの詳しい工程は、こちらの記事で紹介していますのでご覧ください。 

見積り 

「原稿から全て依頼したい」「デザインと印刷だけ」など、どの段階から依頼したいのかを含めて見積りを取りましょう。 
正確な見積りを取りたいなら、事前にしっかり情報を揃えておくことが大切です。 

3-2 原稿

構成が決まれば、次は各ページの原稿づくりです。 
原稿は、自ら執筆する方法と、プロのライターに依頼する方法があります。 
どちらにしても実務を担当している社員への取材は欠かせません。取材で得た自社の強みを整理し、端的でわかりやすい文章を心がけましょう。 

掲載する写真やイラストについても同様に、社員が用意するか、プロのカメラマンやイラストレーターに依頼するかを選択します。 
多くの会社案内において、画像は大部分を占める重要な要素となります。粗い画質でチープな印象にならないよう、適切な解像度の画像を用意しましょう。 

原稿が完成したら、必ず校正を行いましょうせっかく会社案内を制作し、自社や商品をアピールしようとしても、誤字や間違いがあれば「ちょっと詰めの甘い会社かも!?」と悪印象を与えかねません 

誤字・脱字だけではなく、商品名や個人名、沿革の年月日なども細かくチェックします。詳しい校正方法は、こちらの記事を参考にしてください。 

3-3 デザイン

せっかく軸を定めても、内容からズレたデザインだと、ちぐはぐな会社案内になってしまいます。厳選した情報だけでなく、ターゲットや目的に合わせたデザインを作成しましょう。 

表紙 

会社案内を手に取ってはじめに目にするところなので、デザインがとても重要です。
テンプレートは使用せずに、オリジナルのデザインにすることでインパクトを与えられるでしょう。 
信頼感・安心感を感じさせる青や緑が使われることが多いですが、会社のブランドカラーがあればそちらを使用するのがおすすめです。 

レイアウト 

会社案内には「Z型」のレイアウトがおすすめです。 
「Z型」とは、アルファベットのZのように、読み手の視線が左上→右上→左下→右下に移動する視線誘導パターンのことです。人の視線は自然と左上から右下へと動きます。

このパターンを意識すると読み手の視線を迷わせることなく、自然に情報へ誘導することができます。一番最初に目に入る左上、最後に視線が止まる右下に最もアピールしたい情報を載せると、より効果的です。「Z型」の視線の流れを意識したレイアウトで、読み手にとって分かりやすい会社案内を作っていきましょう。  

3-4 入稿・色校正

データが完成したらいよいよ形にしていきます。 

入稿 

メールや CD-R・DVD-Rで入稿するなど入稿方法は依頼する印刷会社によってさまざまです。
まずは、データの形式・作り方を印刷会社に確認してみましょう。 
また、「データで入稿した時にレイアウトが崩れないか心配」「データの容量が大きくてアップロードに失敗したことがある」などでお悩みの方には、PDF入稿がおすすめです。
PDF入稿なら、データの品質を維持しながらスムーズに入稿ができますよ

色校正 

色校正とは、印刷物の仕上がりの色を確認するための試し刷りのことです。 
こだわった画像やイラストが、ちゃんとイメージ通りに刷れているかチェックしましょう! 
詳しい「色校正」についてはこちらの記事で紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。 

色校正が終わったら印刷工程にすすみ、あとは納品を待つだけです。
納品されたら、念のため内容・数量確認は行いましょう。

まとめ.自社PRは会社案内から

会社案内は自社を効果的にPRできるツールです。
伝えたいことがたくさんあるからといって、情報を盛り込みすぎてはいけません。

会社案内を受け取る相手が求めている情報はなにか、相手の目線に立って作成することが大切です誰に、どのような情報を、どうやって伝えるかを明確にしましょう。
そして、相手にどんなメリットがあるかをはっきりとアピールするのがポイントです!
はじめて会社案内を作成する方は、他社のものを参考にするのも良いでしょう。しかし、相手に興味を持ってもらうには、他社との差別化が必要です。

当サイト『紙ソムリエ』は、内容だけでなくデザインにもこだわった会社案内の作成をお手伝いします。ぜひご相談ください。

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