紙ソムリエに質問

色のこと
クジャクの卵様
私は新米デザイナーです。先日とあるレストランのオープンチラシを作りました。
メニューを紹介する写真がいくつかあって気合を入れてレタッチしたのですが、印刷所に入稿するためにRGBからCMYKデータに変換すると、どうしても暗くくすんだ色合いになってしまいます。
クライアントからは指定されたネット印刷にデータを入れるよう言われていますが、このまま進めるのは不安です。何か良い方法はないでしょうか。

ご相談ありがとうございます。

なるほど、レストランのメニュー画像をRGBからCMYKに変換したところ、思っていたほど鮮やかな色に仕上がらなかったのですね。

色調補整はとても繊細な作業で難しいですよね。

クライアント様は、CMYKに変換した後の状態をご覧になりましたか?

まず原則として、印刷物に用いる画像データは、必ずCMYKモードに変換してから補整作業を行うようにしてください。

ご存じかもしれませんが、パソコンのモニター(RGB)と印刷物 ( CMYK ) では表現できる領域に差があり、それがすなわち見た目のイメージの差につながっています。こちらの図をご覧ください。

オフセット印刷(CMYK)は、カラーモニターやカラーフィルム(RGB)と比較して再現できる色の範囲が狭いです。実際にわかりやすく変換した図が以下の通りです。

おそらく質問者様も、こんな感じで変換後の色が全体的に暗く沈んでしまったのではないかと思います。彩度の低いイラストや無彩色の画像では目立ちませんが、人物や食品や風景など、鮮やかな色を多く使った画像データではRGBとCMYKの差がより顕著になるため、注意が必要です。

まずはクライアント様に、上記のような色の差が生じている事実と理由をしっかりと説明しましょう。質問者様ご自身が「誤ってRGBのまま色調補整をかけてしまったため」という姿勢を見せられることが大切かと思います。

おそらく本件は色校正を取らずに、PDF上で校正往来を行っているのではないでしょうか。クライアント様がCMYK変換後のPDF校正をご覧になって「問題ない」と答えられた場合でも、モニターと紙の印刷物では、印刷物の方がさらに色が沈んで見えてしまいますので、そこまできちんと説明しておきましょう

納期にまだ余裕があるようでしたら、CMYKに変換した後のデータを補整しましょう。その色が印刷物で出てくるベースとなります。

さらに、クライアント様のご予算が許されるようでしたら、ネット印刷に入稿する前に「色校正」を取りましょう。色校正は必ずCMYKに変換されます。本番と同じ紙を使って刷れば、限りなく本番に近い色味が再現できます。

レストランのオープンチラシということですので、お食事の写真が担う役割はとても重要です。色校正はなるべく取られることをオススメします!

取り急ぎまずは、クライアント様と現状を共有されてみてください。

詳しくは当サイトのブログに掲載しました【データ制作・印刷の基本!】RGBとCMYKの違いとは?でもご紹介していますので、よかったらご覧ください。

色校正やその後の印刷業務も、もちろん『紙ソムリエ』でも承ります。お気軽にご相談くださいませ!

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