紙ソムリエの読み物

印刷用紙の種類と違いについて!おすすめの使い分けも解説

印刷発注をするときに、必ず選ばないとならないのが【用紙】です。
「どれを選んだらいいのか分からず、発注をためらってしまっていた」
「特徴も違いもよく分からず、なんとなく決めてしまっていた」
そんな方もいらっしゃると思います。
印刷の用紙には種類や呼び方・表記がいろいろあり、特殊な知識が必要な場合もあるので、知らないと混乱してしまうかもしれません。
用紙の分類や特徴を知って全体像をつかめば、よりラクにイメージに近い用紙を選べるようになるでしょう。
ご自分の作りたいアイテムにあったベストな用紙の選択に、こちらの記事を参考にしてみてください。

1.まずは用紙の表記ルール・規格・種類を知ろう!

1-1 用紙の表記はこう読む!基本的なルールを解説 

印刷用紙の厚みは下記のように【連量・斤量】で表します。
連量(斤量)とは、全紙(原紙)を1,000枚重ねたときの重さのことです。
つまり、下記のような表記の場合は四六判の全紙(原紙)を1,000枚重ねたときに合計90㎏になる厚さのコート紙ということになります。

同じ厚みの紙でも、規格によって全紙の大きさが異なりますので、連量も異なります。

以下の表は、各規格の連量の相互変換を示しています。
横方向に同じ厚さの紙の連量が記載されています。
規格や連量の表記が異なるので、違う厚さの用紙のように思えてしまうかもしれませんが、これらはサイズの違う、同じ厚さの用紙なんです。
(例:コート四六判90㎏=菊判62.5㎏=A判57.5㎏)

1-2 A判・B判?菊判・四六判とは?用紙の規格について

私たちが普段よく目にする用紙の寸法は、JIS規格(日本工業規格)によって定められています。
“A+数字”で表されるA判と、“B+数字”で表されるB判が主流となっています。
例:A判……各種書類、書籍、ハガキなど
  B判……大学ノート、週刊誌など

これらの印刷物を作成するための用紙は、JIS規格(日本工業規格)によって
・A列本判
・B列本判
・菊判
・四六判
・ハトロン判
の5種類に定められています。
仕上がりサイズがA列規格の時はA判や菊判、B列規格のときはB列本判や四六判の用紙を使用します。
ハトロン判は包装紙などによく使われる規格です。

・A列本判/菊判
A判よりひとまわり大きなサイズの規格です。
印刷や製本の際に必要なトンボや余白などを含め、A判規格が効率よく面付できるサイズです。

・B列本判/四六判
B判よりひとまわり大きなサイズの規格です。 印刷や製本の際に必要なトンボや余白などを含め、B判規格が効率よく面付できるサイズです。

2.印刷用紙には種類がたくさん!分類を知って理解を深めよう!

印刷用紙は大きく分けて5つに分類されます。
それぞれの用紙によって風合いやインクの発色も異なるため、用紙選択は仕上がりイメージを左右する肝心なフローです。

・非塗工紙
原料となるパルプのみで作られた用紙。
白色度やパルプの配合率によって「上質紙(上級印刷紙)」「中質紙(中級印刷紙)」「ざら紙(下級印刷紙)」に分類されます。

・微塗工紙
中質紙をベースに表面を塗料でコーティングした用紙。
塗工量20g/㎡以下の用紙を指します。「マットコート紙」とも呼ばれています。

・塗工紙
上質紙をベースに表面を塗料でコーティングした用紙。
塗工量によって「アート紙」「コート紙」「軽量コート紙」などに分類されます。それぞれにグロス系とマット系があります。
また、前述の分類に当てはまらない「その他塗工印刷用紙」として、キャストコート紙、エンボス紙などもあります。

・特殊印刷用紙
色上質紙、ファンシーペーパーなど

・情報用紙
ノーカーボン紙、フォーム用紙など

3.よく見る紙はこれ!代表的な用紙の種類とおすすめの使用例

印刷用紙でよく選ばれる用紙は非塗工紙の「上質紙」、塗工紙の「コート紙」「マットコート紙」の3種類です。
それぞれの手触りや風合い、発色の違いを知っておくと用紙選択の際に役立つかもしれません。

3-1 ざらざらナチュラルな上質紙

上質紙は、非塗工紙の中の上級印刷紙に分類されます。
用紙の原料となる化学パルプ100%で作られており、表面に塗料をコーティングしていないため光沢はなく、少し凹凸のあるザラっとした手触りをしています。

代表銘柄……OKプリンス上質(王子製紙)、しらおい上質(日本製紙)など

3-2 おすすめの上質紙の使い方

上質紙は表面に塗料がコーティングされていないため、ペンやスタンプなどのインクが定着しやすく、滲みを抑えることができます。
そのため、申込書やはがき、スタンプカードなど、書き込むことを想定した印刷物に適していると言えます。
また、表面の光沢がなく文字が読みやすいので、書籍など文字がメインの印刷物とも相性が良いです。
反対に、インクの発色はコート紙などには劣るので、写真やイラストなどを含むカラー印刷の場合は使用を避けた方が良いでしょう。

■おすすめの使用例
・書き込みを想定したチラシ、申込書などの書類
・スタンプカード
・名刺
・文字メインのパンフレット

3-3 ツルツル光沢のグロスコート紙

グロスコート紙は、塗工紙の一種に分類されます。
上質紙をベースに、用紙の表面をグロス系の塗料でコーティングし、光沢をもたせた用紙です。
“グロス”は省略されることが多く、“コート紙”と言ったらグロスコート紙を指すことが多いです。
手触りはツルツルとしており、チラシや週刊誌などによく使われます。

代表銘柄……OKトップコート(王子製紙)、オーロラコート(日本製紙)、Sユトリロコート(大王製紙)など

3-4 おすすめの(グロス)コート紙の使い方

グロスコート紙はインクの発色がよく、表面の光沢によって写真やイラストなども鮮やかに見えるため、カラー印刷に向いています。
ただし、照明の近くや高い位置に貼る印刷物の場合には、反射して見えにくくなってしまうこともあるので注意が必要です。
また、筆記性には優れていないため、書き込みを想定した印刷物への仕様は避けた方が良いでしょう。

■おすすめの使用例
発色の良さを生かした
・カラー印刷のチラシ
・パンフレット
・ポスター
など

3-5 しっとり艶消しのマットコート紙

マットコート紙は、塗工紙の一種に分類されます。
上質紙をベースに、用紙の表面をマット系の塗料でコーティングし、艶消し加工をした用です。
“マット紙”と呼ばれることもあります。

代表銘柄……OKトップコートマット(王子製紙)、ユーライト(日本製紙)、ユトリログロスマット(大王製紙)、ニューVマット(三菱製紙)など

3-6 おすすめのマットコート紙の使い方

マットコート紙は、コート紙に比べ光沢の抑えられた半光沢紙です。
表面のマットな質感が高級感を手軽に演出してくれます。そのため、比較的安価に高級感を出したい場合にはおすすめの用紙といえます。
コート紙ほどコーティングが強くないので、発色はコート紙に比べると劣りますが、ある程度であればペンなどでの書き込みも可能です。

■おすすめの使用例
高級感があり、落ち着いた雰囲気の
・カラー印刷のチラシ
・パンフレット
・カタログ
・ポスター
・ポストカード
など

まとめ.印刷物は用紙選びが肝心

印刷において用紙選びは製品の仕上がりイメージを左右する大きなポイントです。
また、どの用紙を選択するかによって費用面にも大きな差が出てきます。
これまでなんとなく用紙を決めてしまっていた方も、印刷発注において何を優先したいのか、優先順位を決めて用紙の選定に挑戦してみてください。
「種類については分かったけど、用紙の実物のイメージが湧かない」という方には、用紙のメーカーさんが取扱い銘柄の用紙見本をまとめた【見本帳】の利用をおすすめします。
ウェブサイトで取り寄せたり、印刷会社から借りたりすることもできるので、ぜひ使ってみてください。
さて、次の記事ではより仕上がりにこだわりたい方へ、少し特殊な用紙の種類をご紹介します。

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