紙ソムリエの読み物

シルク印刷とは?UV印刷とは?違いとメリット・デメリット解説

「Tシャツやトートバッグなど布製のものに印刷したい」
「コップのような曲面のものに印刷したい」
「PETやユポ紙など表面がツルツルした素材に印刷したい」
「短納期案件に対応してほしい」

…このようなお悩みをお持ちの方はシルク印刷、もしくはUV印刷を選んでみてください。 この記事では2つの印刷方法の仕組み、メリット・デメリットやおすすめの使用例などをご紹介していきます。どちらの印刷方法が仕上がりイメージに適しているのか、一緒にみていきましょう。

1.シルク印刷とは?[br]
 ~仕組み、メリット・デメリット、おすすめ使用例~

1-1 シルク印刷の仕組み

シルク印刷は、孔版(こうはん)印刷(いんさつ)と呼ばれる印刷方法の一種です。
もともと版板がシルクで作られていたことからシルク印刷と名づけられました。
また、スクリーンと呼ばれる版板を使うため、シルクスクリーン印刷という別名もあります。

版板上にインキを乗せ、スキージというヘラのような道具でインキを押し付けて伸ばす印刷方法です。版板には一部分にインキが通る(あな)の加工がされており、孔がある部分のみインキが通るという仕組みになっています

油性インキと水性インキがありますが、取り扱いのしやすさや色が鮮やかに乗ることから、油性インキが多く使われています

印刷会社へ依頼すると、専用の機械もしくは手作業で対応してくれます。また、キットも売っており、自分で手作りすることもできます。

1-2 シルク印刷のメリット・デメリット

どのようなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。

メリット

・いろいろな素材に印刷ができる
インキを乗せる仕組みのため、紙はもちろん、プラスチックやガラス、陶磁器、金属など幅広い素材に印刷できます。
また、版自体に柔軟性があるため曲面に印刷することも可能となります。

・低コストで大量生産が可能
版板は一度作ると何回も使用できるため、大量生産すればするほど一部あたりのコストが下がります。
また、版板は色別で作る必要があるため、さらにコストダウンを狙う場合は色数を減らしてみましょう。

・鮮やかに色を表現できる
一般的なオフセット印刷はインキ量が一定なので下地の色の影響を受けやすいですが、インキの量を調整できるシルク印刷なら、イメージ通りの色に近づけることができます
版板を通して素材にダイレクトにインキが乗るので、鮮明に色を表現することが可能です。
さらに、インキの量を厚く塗ることで変色や劣化に強くなるため、屋外使用にも向いています。

デメリット

・少数生産は不向き
版板1版作るのはそう安くはありません。版代だけで数万円とそれなりの費用がかかるので少数生産だと割高になってしまいます。

・グラデーションや写真、細かいデザインに注意
インキを乗せる、または乗せない仕組みのため、通常ベタ塗りで表現されます。そのため、グラデーションや写真の表現は不可という印刷会社が多いです。ですが、網点の版板を使うことで表現することは可能です。その場合、下地の素材によって再現度が異なりますので十分ご注意ください。

また、細かいデザインにも注意が必要です。極端に細い線などがデザインに含まれていると、カスレたり、ツブレたりしてしまう恐れがあります
希望通りのデザインがシルク印刷で表現できるか不安な方は、事前に印刷会社に相談しましょう。

・仕上がりまでに時間がかかる
版板の製作には一定の時間がかかります。また印刷後も乾燥に時間が必要です。納期を急ぐ案件には適さないので、余裕を持ったスケジュール管理を心がけましょう。

1-3 おすすめの使用例

どのような印刷物で使われているのか見ていきましょう。

・Tシャツやトートバッグなど布製のもの
シルク印刷が使われている一番スタンダードな使用例です。

・プラスチック、ガラスや陶磁器
版自体が柔軟なため曲面の印刷も可能です。

・交通標識などの看板
インキを重ね刷りすることで色を鮮やかに表現できて、変色や劣化にも強いので屋外での使用にも向いています。

・パソコンのキーボードやテレビのリモコンなどの電子機器
数字をはっきり色濃く表現することができます。
また、キーボードやリモコンに内蔵されているプリント基板などにもシルク印刷が用いられています。

「水と空気以外なら何でも印刷できる」とも言われているシルク印刷
私たちの身の回りにある多くのものに使われているため、一番身近な印刷方法といえるかもしれません。

2.UV印刷とは? [br]
 ~仕組み、メリット・デメリット、おすすめ使用例~

2-1 UV印刷の仕組み

UV印刷とは、紫外線(Ultra Violet)を照射することで硬化するUVインキを使った印刷方法です。

一般的なオフセット印刷では油性インキを使うため、乾くまでに時間がかかりますが、UV印刷は一瞬で硬化・あっという間に乾くという特徴を持っています。

2-2 UV印刷のメリット・デメリット

どのようなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。

メリット

・瞬間硬化で短納期案件が対応可能
UV印刷の一番の魅力は、乾くまでに時間がかからないことです。
そのため、次の加工工程にすぐ入ることができ、インキの擦れの心配もないので、複雑な加工にも対応できます。
納品まで時間がないときにおすすめです。

・パウダー不使用でドライダウンの心配もなし
一般的なオフセット印刷で使う油性インキは、印刷後、乾くまでに紙同士の付着を防ぐためスプレーパウダーを使用する必要があったり、紙にインキが浸透する経過で「ドライダウン」という色の変化が起きたりします。
しかし、乾くまで時間がかからないUV印刷ならどちらの心配もありません。

デメリット

・背割れに注意
瞬間硬化させているため、折り部分が割れてしまう恐れがあります。折りが入る部分に写真や濃い色のデザインがされていると特に割れが目立ってしまいます。
用紙に折り目をつけてたたんだとき、折り目部分に発生するひび割れのことを「背割れ」といいます。背割れは、厚い紙・折り目部分のインキの濃度が濃いほどよく目立ちます。

【背割れ対策】
・スジ入れ
厚い紙に対して折り加工をする場合は、前項「3-2折り加工の注意点」でご紹介したスジ入れが効果的です。あらかじめ折る位置にスジを入れることによって、背割れを防ぐことができます。

・濃いインキを避ける
折り目部分に色の濃いデザインを入れないことで、背割れがあまり目立たなくなります。

・屋外使用に注意
UV印刷した看板などを屋外使用した場合、インキが剥がれてしまう恐れがあります
素材自体の歪みなどでできたわずかな隙間に雨水が入ることが原因として挙げられます。他にも水・雨・アルコールなどが頻繁に当たる場所での使用は注意してください。

・設備が導入されているか要確認
印刷機本体やインキ、硬化に必要なUVランプなどの付帯設備が、一般的なオフセット印刷で使われる油性印刷の場合と比べると高価です。印刷会社によっては設備を導入していない場合もありますので、事前確認せずにUV印刷を前提に短納期で発注するのは控えましょう

2-3 おすすめの使用例

どのような印刷物で使われているのか見ていきましょう。

・乾きにくい紙
主に特殊紙と呼ばれる紙の銘柄です。インキの浸透に時間がかかるマットコートでも、UV印刷なら問題ありません。

・ホログラムやアルミ蒸着などの表面加工を施した高級パンフレットやカタログ
瞬時に硬化するため、後加工で表面加工がある場合も影響しません。いろいろな加工に挑戦してみましょう。

・クリアファイルなどのPET素材、ユポ紙などの合成紙
インキが浸透しないツルツルした素材でもきれいに印刷できます。

・食品関係や化粧品などの印刷物
UV印刷はスプレーパウダーを使用しないため、パウダーが印刷物に付着する心配がありません。また、インキは油性インキに比べてにおいがほとんどしないため、衛生面を重視する食品や化粧品、おもちゃなどに適しています。

ただし、UVインキに限らず一部の特殊インキを除いて、インキが食品や化粧品などに直接触れることのないよう十分ご注意ください

3.シルク印刷とUV印刷の違いまとめ!

ここまでそれぞれの印刷について説明してきましたが、最後に簡潔に図にまとめました。ポイントを押さえておきましょう!

まとめ.特殊印刷を使いこなす

今回はシルク印刷とUV印刷について取り上げました。
シルク印刷はとにかくいろいろな素材に印刷ができるUV印刷瞬時に硬化するため乾かす時間が必要ない、ということが最大の魅力です。仕上がりイメージにぴったり合った印刷方法はどちらでしたか?どちらも特殊印刷のカテゴリーに入りますので、今後の制作の選択肢としてお役立てください。

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