紙ソムリエの読み物

【トラブル解説】印刷物に現れる「ゴースト」とは?

まるで幽霊のように現れる色の影。データ上に存在しない色の濃淡のことを、「ゴースト」と呼んでいます。

印刷会社にとって、「ゴースト」は、とても困ったトラブルです。印刷会社もオペレーターも「ゴースト」の発生には細心の注意を払っています。「ゴースト」の発生条件は予想がつくので、あらかじめ防ぐことができます。

この記事では、印刷データと印刷機の物理的な力の誤差によって生じてしまう「ゴースト」という現象について説明します。

1.印刷業界にひそむ恐怖の「ゴースト」

データは完璧なのに、印刷してみると色に濃淡が出てきてしまう現象があります。
この現象を「ゴースト」と呼んでいます。

「ゴースト」が発生しやすいデザインには、以下の特徴があります。

一面ベタの中で一部分だけ白抜き小窓がある場合
ベタの天地に面積差がある場合

原因は、印刷機のインキの調節のバランスが崩れるためです。

印刷物は、インキツボから複数のローラーでインキ量を調節されながら刷版へ流れ、クワエからクワエジリに向かって印刷されます。インキの量は左右に振られた番号で調節しています。

クワエ
印刷機に入るとき、用紙をつまむ部分。用紙に対して長辺の部分で、印刷機に流れる際はここから先に入る。

クワエジリ
印刷機に入るとき、用紙をつままなかった部分。クワエに対して、反対側の長辺にあたる。

一部分だけ絵柄のない白抜きのデザインだと、その部分に対応するインキ番号のインキ量を減らして対応します。すると、理論上では問題なく印刷することができます。

しかし、インキはピンポイントで色の有無・濃度を調節しているわけではありません。
印刷の流れによって、インキの多いところ、少ないところで相互に干渉しあっていますインキの量は複数のローラーと左右の番号で調節しますが、刷版にのるまでに一定の量が運ばれています。

刷版がインキを受け取る時、多量のインキが必要な部分はインキが足りず薄くなったり、インキが少なくてよい部分は余ったインキによって絵柄が濃く出てしまったりと、その差が「ゴースト」となって現れるのです。

2.「ゴースト」を防ぐ方法

印刷機とインキの物理的な現象なら、解決方法はないじゃないか!と思ったみなさま、ここは印刷会社の腕の見せどころ。
印刷会社のオペレーターは、この「ゴースト」問題とずっと戦ってきました!

解決方法1 捨てベタを作る!

最も効果的な解決方法は、捨てベタを作ることです。
捨てベタとは、印刷面の外に使わなかったインキを捨てるためのベタのことです。できるだけ、インキ量の少ない部分や小窓のサイズと均等な面積の捨てベタがあると良いでしょう。

使わなかったインキをそこで受け取り、ローラーのインキ量をリセットすることで「ゴースト」を防ぐことができます。

解決方法2 湿(しめ)し水を絞る

こちらは印刷オペレーターの経験や技術が伴う作業になります。
「ゴースト」が起きやすくなる原因にはインキの乳化があります。乳化とは水と油が混ざって起きる現象ですが、「ゴースト」の発生を高めることにつながります。

印刷機には湿し水と呼ばれる水を使うので、この水を減らすことで、インキの乳化を防ぎ「ゴースト」発生を防ぎます

解決方法3 ゴースト防止ローラーを使う

印刷機にはゴースト防止ローラーがついているものもあります。
通常、回転するだけのローラーですが、ゴースト防止ローラーは回転しながら左右に揺動することでインキバランスを調節し、「ゴースト」発生を防ぎます。

まとめ.見えない事故を予測して

「ゴースト」が起きやすいデータは、印刷経験者しか予測できない現象でもあります。データではわからなくても印刷してみたら発生してしまったということもあります。

ここは印刷会社の腕の見せどころ。
営業や印刷オペレーターはこのような事故を前もって防ぐべく、大切なデータを預かりチェック・コントロールしています
みなさまは安心して大切なデータを任せてくださいね。

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