紙ソムリエの読み物

包装紙にはどんな種類がある?紙質、サイズ、基本的な包み方!

贈り物をする際には欠かせないのが包装、ラッピングです。素敵な紙で丁寧に包まれていると、もらううれしさも格別ですよね。

「包装紙にはどんな種類があるの?定番はなに?」
「サイズは決まっているの?」
「具体的な包み方が知りたい!」

そんな疑問をお持ちのみなさまへ、この記事では包装紙の種類から、紙ごとの用途とサイズの考え方、実際の包み方までご紹介していきます。ぜひお役立てください。

1.絵柄だけじゃない!包装紙の種類

1-1 光沢のない包装紙について

上質紙

光沢やツヤの少ない白色の紙質で、コピー用紙やメモ帳、本など一般的に広く用いられています。くせがなく、落ち着いた印象のある紙質なので、和風から子供向けなどさまざまな絵柄や場面に対応できます。

また、製造時に着色をほどこした色上質と呼ばれる種類もあります。

クラフト紙

表面は上質紙よりザラザラしてしっかりとした手触りで、強度の高さが大きな特徴です。
製造時に漂白作業を行わないクラフト紙を「未晒(みさらし)クラフト紙」と呼びます。未漂白なので原料パルプそのままの茶色が残ったナチュラルな紙色です。
また、クラフト紙を漂白したものを「(さらし)クラフト紙」といいます。漂白することで少し強度は下がりますが、上質紙に比べると頑丈です。
他にも光沢のない黄土色の「半晒(はんざらし)クラフト紙」や、主に封筒で使われる筋目の入った茶色い「筋入クラフト紙も人気です。

自然な色合いから連想されるオーガニックな化粧品や食品、アパレルなどにぴったりです。
逆に、もともと茶色みがかった紙なので、写真や色をしっかり表現したいデザインの印刷にはあまり向いていません。
また、製造過程で薬品や燃料の使用量が他の用紙より比較的少ないので、環境に配慮した用紙という点も魅力の一つです。

1-2 光沢のある包装紙について

コート紙

表面に塗料がコーティングされ、光沢感があり手触りはツルツルとしています。
クラフト紙と異なって紙の表面が滑らかなコート紙は、インキの乗りが良く乾くのも早いので、色の再現性が高いのが特徴です。
色鮮やかなで華やかな柄の包装紙をつくりたい方におすすめです。
高級感もあるので、百貨店における贈答品などによく使われています。

純白ロール紙

片面はコート紙のようなツルツルとした光沢感、もう片面は上質紙のような光沢のないザラザラとした紙質をあわせ持っています。適度な張りがあり、柔らかな材質です。
蛍光塗料を用いないことや、白色度の高い見た目の清潔感から、色上質紙やクラフト紙では適さない食品加工の現場や衛生面が重要となる製品の包装に用いられます。

アルミ蒸着紙

紙の表面に金属の薄膜を蒸着させた特殊紙です。
部分的に箔を施す箔押し加工に対して、用紙自体に光沢感があるので目を引く高級感と存在感のある包装紙になります。
コート紙とは異なった金属光沢の特性を活かした表現の幅広さがあるため、書籍やCDのジャケットなどの販促物に用いられます。

1-3 それ以外の包装紙について

クレープ紙

細かいシワの加工を施した紙です。シワによって紙が伸びやすく、他の用紙と比べて伸縮性があるので、破れにくくさまざまな形にフィットする包装紙です。
シワで厚みがでるので衝撃に強く、食器類など割れやすいものを保護する際に用いられています

不織布

文字のとおりに「織らない布状のもの」を指し、一定方向もしくはランダムに配列された繊維が結合してできています。
特徴として、優れた通気性や保湿性があげられます。
マスクなどの医療品や手提げ袋でも使われています。和紙のような感触があることから、高級感のある製品の包装にも良いでしょう。
また、製造過程において耐熱性や断熱性、吸音性、吸水性といった様々な特性をもたせることができるため建築材にも適しています

2.この箱を包むには?包装紙のサイズと使い方

2-1 包装紙のサイズ感について

包む製品やイメージによって包装紙を選ぶことはもちろん、最適な包装紙のサイズを選ぶことも大切です。
サイズを間違えると、製品がはみ出したり不格好な状態になったりしてしまいます。
こうしたことのないように、サイズ選びについてご紹介します。

<包装紙のサイズについて>

一般的な包装紙のサイズはその大きさに応じて「四六判」「ハトロン判」と名前が決められています。以下はその一例です。

四六判
・半才:約750mm × 約540mm
・全判:約1070mm × 約750mm

ハトロン判
・H半才:約870mm × 約590mm
・H全判:約870mm × 約1180mm
※Hはハトロン判を指す

メーカーや製造方法に応じてサイズには多少の変化があるものの、「半才」「全判」が主流のサイズとなっています。

<サイズの計算方法について>

包装紙のサイズは箱の寸法はもちろん、包み方によっても異なります。
箱の高さや奥行きを使った計算式もありますが、パッと包装紙のサイズが知りたい方は、下記のようなシミュレーターを利用してみてください。

【シモジマ】包装紙サイズ計算機 
Shimojima Wrappingpaper Size Calculator

2-2 基本の3つ!包装紙を使ったラッピングについて

斜め包み/デパート包み

百貨店やデパートなどでよく使われるのでデパート包みとも呼ばれる斜め包み。破れにくく丈夫で、見た目も美しく仕上がります。
難易度は高めですが、多少大きさの違う箱でも同じサイズの包装紙で包むことができます。
テープで止める箇所が包み終わりの一箇所のみなので、慣れると手早く包めるメリットもあります。

まず包装紙のサイズに問題がないかどうか、箱のサイズを測ってから上記の計算機システムで確認します。
その後は以下のとおりです。

・包みたいものを図のように斜めに置きます。

・箱左側の下の角が、紙の先端から2~3cm離れるように置きます。
※シーンによって左右のどちらを上にするのか使い分けましょう。
お祝い事など祝儀の場合は図のように、お悔やみ事など不祝儀の場合は箱の位置は逆側となります。

・その後、紙を上から折りかぶせます。
箱全体が覆われ、左右ともに3cmほどのゆとりができれば問題ありません。

・箱の左下角に包装紙をかぶせます。
このときに箱の端から2~3cmのアキができるよう、位置を調整してください。

・左側の紙を上に立てて、余る部分の紙を内側へ折り込みます。

・箱の端と包装紙の折り位置が完全に重なるよう、注意しながら左側をかぶせていきます。

・箱を持って上側に回転させながら包装紙を折ります。
余っている部分を上に引っ張って位置調整をしましょう。

・包装紙のたるみがないように整えてから箱を奥へ倒します。
横側のラインが箱をはみだしていないか気をつけながら押さえてください。

・右側も同様に余った箇所を内側に折りながらかぶせていきます。

・上側も同じように折ります。

・最後に合わせ目を内側に折って調整し、テープで止めて完成です。

合わせ包み/キャラメル包み

キャラメル包みは、最もポピュラーな包み方です。応用がきき、難易度も高くないのであらゆる場面で使用されます。

箱に合ったちょうどいいサイズの包装紙を用意しないと不格好になってしまうので、注意しましょう。
包装紙のサイズは先述した計算機システムか、決まった計算によっても割り出すことができます。
「ヨコ」 … 箱の1周分 + 15mm
「タテ」 … 箱のタテ + 箱の高さ × 2/3 × 2

包み方は以下のとおりです。

・包装紙の中心にくるようにラッピングしたい箱を中央に裏返して置きます。

包装紙の左右をそれぞれ箱のフチに沿って折り合わせます。上にのる方の紙の端を1-2cmほど折っておきましょう。
この時、慶事弔事によって左右どちらを上にするかが変わります!
お悔やみ事の場合は左側が上、お祝い事の場合は右側が上となります。マナー違反にならないよう、注意しましょう。

・中の箱がちょうど中央にくるように配置し、両端を折っていきます。紙の合せ目はテープで止めます。

・箱に包装紙をきちんと沿わせて折り、箱の角からはみ出る包装紙の部分は4箇所とも三角形にします。

・合わせ目が下になるように上の三角形部分から先に折り、それから下の三角形部分を折ります。

・そのままだと下の三角形部分が上の三角形部分と重なる部分があるので、そこを内側に折ります。

・最後に重なっている部分をテープで止めて完成です。

風呂敷包み

包む物を置いたままひっくり返さずにラッピングできるので、重たい物やかさばる物にぴったりなのが風呂敷包みです。包装紙の面積も少なく済みます。
陶器やぬいぐるみなどの重量がある箱や、ケーキなどの正方形の箱にもおすすめです。

包み方は以下のとおりです。

・底面を下にした箱を、包装紙の中央に置きます。

・手前の包装紙を折って箱にかぶせます。

・斜め包みのように余った角を内側に折り込みながら、左側の紙をかぶせます。

・包装紙の端を、箱に対して45°になるよう裏側に折って、見た目を整えます。

・右側も同様に折ったら、テープで止めておきます(箱にテープが付かないよう注意!

・奥側の角も内側に折り込んで処理したら、手前側と同様に左右とも45°に裏側に折り、箱にかぶせて完成です。

・さらに先端を折り込んでまとめたり、交わっている部分にシールを付けたりしてもかわいいです!

まとめ.紙質×サイズ×包み方=失敗しない包装紙選び

包装紙にはたくさんの種類があります。
包装紙が注目されるのは、贈り物を渡したときから開封するまでの短い間かもしれません。
しかし、第一印象となる包装紙は贈り手の気持ちを示すもので、とても重要です。
商品イメージやギフトを贈る相手、季節やイベントに沿った色・柄・手ざわりなどそれぞれに合った包装紙を選びましょう。
また、包むものの大きさを考えたラッピングにしたり、慶弔などに適した紙や包み方を選んだりと、細やかな気配りも大切です。

たくさんの選択肢のなかから選ぶのはまだ難しいという方は、ぜひ『紙ソムリエ』にご相談ください。一緒に最適な包装紙を選びましょう。

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