紙ソムリエの読み物

印刷機とコピー機とプリンターは何が違う?それぞれの特徴と導入方法

会社や学校、家庭でも重宝されているコピー機や印刷機。たくさんの資料を扱うビジネスシーンには欠かせないアイテムですよね。
どちらも印刷を目的としていますが、それぞれメリット・デメリットがあり、機能にも違いがあります。

この記事では、それぞれの違いから、導入シーンに合わせた複写システムの選び方までご紹介します。導入をご検討中の方は、ぜひご一読ください。

1.印刷機とコピー機の決定的な違い

1-1 「印刷専門」か「多機能」か

印刷機もコピー機も印刷を目的とした機器ですが、機能に違いがあります。
その大きな違いは、印刷機能に特化しているかどうかです。

印刷機は、原稿をスキャナーから読み込んで同じ内容の印刷物を出力します。
印刷機は印刷に特化していて、印刷以外の機能は持ちません。「輪転機」と呼ばれることもあり、大量印刷が得意なので1枚あたりのコストが安く済みます。

それに対してコピー機は、印刷以外にパソコンで作成したデータを出力するプリント機能やFAX、スキャナーなどの機能も持ちます。元々別の機械だったものが1台に集約されているので、設置スペースを取りません。
いろいろな機能を持ち合わせていることから、「複合機」とも呼ばれます。

それぞれのメリット・デメリットについては、のちほど詳しく説明します。

1-2 仕組み

機能以外に、印刷する仕組みも大きく違います。

印刷機は、版を使用して印刷を行います。版は印刷に使うハンコのようなもので、あらかじめ印刷する絵柄が焼き付けられています。
版につけられたインクをゴムでできたローラーに一旦転写し、さらにそのローラーを用紙に押し当てることで印刷を行います。機械の中で高速で版画をしているイメージですね。

一方で、コピー機は版を作りません読み取った絵柄の通りにトナーと呼ばれる色付きの粉を付着させて複製します。熱で圧着させることで、乾かす時間がかからず短時間で仕上げることができます。

2.印刷機のメリット・デメリット

2-1 メリット

大量印刷が得意

印刷機の強みはなんといっても、その印刷スピードです。
最初に版を作成する時間はかかりますが、それ以降はとても高速です。機械にもよりますが、1時間あたり9,000枚から12,000枚のペースで印刷できます。
オフィスのコピー機を1時間回し続けても1,000枚程度でしょうから、そのスピード差は歴然ですね。

低コスト

大量印刷を得意としているので、印刷コストが安く済みます。
設置コストについては印刷機の方が倍近く高いですが、印刷コストは印刷機の方が1枚あたり10倍近い安さです。
また、印刷機の方が耐久性は高いので、トータルで見ると印刷機の方がコストを安く抑えられるでしょう。

2-2 デメリット

設置スペースが限られる

印刷機の設置には、広いスペースが必要となります。
オフィスの面積によっては、動線の邪魔となり業務効率を下げてしまう要因にもなりかねません。また、印刷時の騒音が大きいので、電話対応などをするデスク近くには向かないでしょう。
新規導入する際には、オフィスレイアウトを組み替える必要が出てくるかもしれません。

カラー印刷が不得意

印刷機では、1色につき1つ版が必要となります。そのため、2色の原稿の場合は2回製版しなければなりません。製版の分だけでなく、印刷も色ごとに印刷するので2色ならば2倍というように色の数だけ印刷時間が倍増します。
また、同じ紙を複数回印刷機に通さなければならないので、版のズレが起こりやすくなります。

3.コピー機のメリット・デメリット

3-1 メリット

多機能

コピー機能以外に、プリンター機能、FAX機能、スキャナー機能を持ち、1台4役を担っています。それらの機能がタッチパネルに分かりやすくアイコン表示されていて、操作も簡単です。
またクラウド連携を行うことで、社外にいても受信したFAXデータを確認できたり、スキャンした文書をデータ保存したりすることもできます。

その他にも、情報漏洩を未然に防ぐために、ICカードを利用して、あらかじめ登録された利用者のみが使用できるように制限することも可能です。

省スペース

必要な機能が1台に集約されたコピー機は、設置スペースを取りませんコピー機の平均的なサイズは幅60cm、奥行き60cmとなっています。小規模なオフィス向けにもっとコンパクトなものもありますよ。

また、印刷するときの音も静かなのでオフィスへの設置に向いています。 しかし、印刷機に比べ大きさがコンパクトな分、対応する用紙サイズはA3程度までと限界があります。

3-2 デメリット

大量印刷が苦手

コピー機は少部数の印刷を得意としており、版を作成しない分、一枚目が出てくるまでの時間が早く、少部数であれば印刷機より早く処理できます

しかし、同じ原稿を大量に複写する場合は時間がかかりすぎてしまいます。コピー機の性能にもよりますが、コピー機が印刷できる枚数は平均すると1分間に30枚程度です。大量印刷が得意な印刷機とはだいぶ差がありますね。

1枚あたりのコストが高くなる

コピー機で使用するトナーの料金は、印刷機のインク代よりも割高です。
そのため、同じ単色刷りでも、1枚当たりのコストは印刷機よりコピー機の方が高くなってしまう傾向にあります。

料金は割高になりますが、トナーインクを使うことによって、印刷物の色の精度が高くきれいに仕上がるというメリットがあります。

4.コピー機とプリンターの違いは?

4-1 機能

さきほどご説明したとおり、コピー機はコピー、プリンター、FAX、スキャナーの1台4役を担っているのに対し、プリンターはプリント専門です。
プリンターにパソコンをつないで、データを紙に出力します。コンパクトで導入費用も安く、家庭でも使いやすいです。

最近ではプリント機能以外に、コピー機能やスキャナー機能がついたプリンターも増えてきています。コンパクトで扱いやすいという反面、一般的な家庭用プリンターだと使用できる用紙のサイズが限られてしまうなど欠点もあります。

4-2 インクジェットかレーザーか

コピー機もプリンターも、主にインクジェットまたはレーザーの2種類の印刷方式が採用されています。

インクジェット

インクジェット方式は、インクを霧状にするノズルとインクを使用した印刷方法です。
印刷工程はとてもシンプルで、印刷機に内蔵されているインクをノズルでスプレーのように紙に噴きつけて印刷します。

メリット:画像の再現度が高い
デメリット:乾くのに時間がかかる、水に弱い、こまめなメンテナンスが必要

レーザー

レーザー方式は、感光ドラム、レーザー、粉状インク(トナー)を使用した印刷方法です。
感光ドラムのインクを乗せたい部分にレーザーを当てることで、一時的にトナーと呼ばれる粉状のインクがくっつくようになります。

メリット:印刷スピードが早い、メンテナンスが楽、にじみにくい
デメリット:カラー印刷が苦手、トナーの消耗が早い

5.どちらを導入するべき?目的・方法・コスト感早見表

5-1 早見表

印刷コスト・印刷スピードを求めるなら「印刷機」、多機能・カラー印刷を求めるなら「コピー機」というように、両者の特徴を理解して、より最適な印刷機・コピー機を選びましょう

ちなみに学校や学習塾などの、日常的に同じ文書を大量に印刷する環境の場合には、印刷機の設置が適しています。単色でも問題がなくて、大量に早く印刷したいテスト問題などの印刷にぴったりです。
限られたスペースに設置可能で、音も比較的静かなコピー機は、オフィスに向いています。

このように、どのような場面で使用するのかという視点からも、どちらが適しているのか検討してみてください。

5-2 コラム:購入かリースか

どちらも導入コストは決して安くはありません。導入するには少なくとも数十万円の費用が必要になります。その際に検討されるのが、「購入」するのか「リース契約」するのかという点です。

リース契約とは、自ら選んだ印刷機・コピー機をリース会社が購入し、リース料を支払って中長期的に借りる契約のことです。一定期間借りる契約になるため、途中解約は認められません。

初期費用が抑えられる」「耐用年数に合わせたリース期間を設定すれば、常に最新の機械を使用することができる」といったメリットがあります。

しかし、支払う総額は購入金額よりも割高になってしまいます。初期費用が確保できるようであれば、購入するのがおすすめです。まとまった初期費用はかかりますが、支払う総額はリースよりも安くなります。
また、購入すれば所有権は当然自社のものになるので、契約期間にしばられることなく好きなタイミングで売却・譲渡ができるというメリットもありますよ。

短期間のみ利用したい場合は「レンタル」を選ぶのもよいでしょう。ただ、レンタル会社が所有するものの中から選ばなければならないので、レンタルできる機種は限られてしまいます。

使用期間や費用をふまえて、導入方法を考えましょう。

まとめ.最適な機械を選んで業務効率化!

ここまで印刷機とコピー機の違いや最適な選び方などについてご紹介してきました。
そして、印刷する場合の選択肢としてもう一つ、「印刷のプロに依頼する」という方法があります。

原稿作成から印刷までの期間に余裕があり、より高いクオリティが求められる印刷物の場合は、印刷専門の業者に依頼するのもよいでしょう。印刷頻度によっては、印刷機やコピー機を導入するよりもコストを抑えられます。

これら3つの選択肢のうち、自社に最適な印刷方法を選ぶことが大切です。
印刷会社のお手伝いが必要な方は、いつでも当サイト『紙ソムリエ』にご相談ください。

ご相談・お問い合わせはこちらから
ニックネームでOK
具体的な相談がしたい
読み物一覧に戻る
その他のキーワードで探す
もっと見る
シリーズで
まとめました
MENU CLOSE