商品のパッケージや本、パンフレット、店頭POPなど日常的に目にする機会の多い、キラキラと輝く紙。これらは「ホイル紙」「アルミ蒸着紙」と呼ばれる種類の紙です。
金属や鏡のような光沢感があるものや、ホログラムのようなきらめきがあるものなど、種類もさまざまです。では、どのような特徴があるのでしょうか?
この記事では、ホイル紙・アルミ蒸着紙についてご紹介します。
1.ホイル紙・アルミ蒸着紙とは?
1-1 ホイル紙・アルミ蒸着紙とは?
ホイル紙とは直接アルミホイルを貼り付けた紙のことで、アルミ蒸着紙とは、紙の表面に加熱蒸発・凝結させたアルミの薄膜を付着させた紙のことを指します。
どちらも光沢感があるのが特徴です。通常の紙で作られたPOPやパッケージより、アイキャッチ性が高く、店頭などでもとても目を引きます。
光沢感にもさまざまな種類があり、表現したい質感に合わせて選んでみると良いでしょう。
・鉄やステンレスなど金属のような光沢感があるもの
・鏡のように反射する輝きがあるもの
・レインボーやホログラムのような偏光性のある輝きがあるもの
どちらもインキの浸透が悪く通常のオフセット印刷では印刷できないため、UV印刷で対応します。メタリックの紙にあらかじめ白引きすることで、写真なども印刷することができます。
そのままカラーインキを引けば、色のついたメタリック用紙が出来上がります。
しかし、注意しなければならないこともあります。
・通常の用紙と比べ、印刷の再現性は低くなる
・メタリック部分は糊付けできない
・折り曲げたときに割れやすく、用紙とアルミ部分が剥がれる恐れがある
・静電気が発生しやすく、製本・加工が難しい
これらのリスクもあることから、印刷前には必ず本紙色校正または本機色校正を行い、印刷・製本工程において問題がないか確認しましょう。
代表的な銘柄には、SPECIALITIES(五條製紙)、ALUGLAS(トッパンプロスプリント)、CUBICシリーズ(富士共和製紙)などがあります。
1-2 ホイル紙とアルミ蒸着紙の違い
さきほども簡単に説明しましたが、これらは製造方法が異なります。
ホイル紙
ベースとなるコートボール紙・コートカード紙などに、直接アルミ箔を貼り合わせた紙。
アルミ蒸着紙
ベースとなるコートボール紙・コートカード紙などに、アルミを蒸着(蒸発させて表面に膜をつくること)させたフィルムを貼って作った紙。
直接アルミ箔を貼り合わせるホイル紙はひび割れがおこりやすく、紙とホイルが分離してしまうこともあります。一方で、アルミ蒸着紙はそのようなトラブルは起こりにくくなっています。しかし、その分コストは高くなってしまいます。
ホイル紙・アルミ蒸着紙の違いはもちろん、銘柄によってもその質感はさまざまです。ぜひ紙見本を取り寄せて、質感を確認してみましょう!
2.ホイル紙・アルミ蒸着紙のおすすめの使い方
ホイル紙・アルミ蒸着紙のおすすめの使用方法をご紹介します。
事例1:店頭POP
どんなお店でも、さまざまな商品が並び、色とりどりのパッケージ包装が施されています。
お客さまから選んでもらうためにも、POPで商品を目立たせ、気づいてもらわないといけません。輝く紙は一際目を引くでしょう!
事例2:化粧箱
事例1とも重なりますが、新商品や売り出したい商品には目立つ包装・化粧箱がおすすめです。選ぶ質感によっては、高級感やブランドイメージなども伝えられます。
事例3:タトウ・本の表紙
イベントの紙製ファイルや会社・商品のパンフレットなど、冊子の制作にもおすすめです。
商品イメージに合わせて、メタリック感を最大限に活かすことができます。高級感のほかにも無機質感・近未来感など、パンフレットの内容やデザインと合わせて施していきましょう!
3.ホイル紙・アルミ蒸着紙以外でメタリックな質感を出すには
ホイル紙・アルミ蒸着紙は通常の紙にくらべて、ものすごく高い…!予算的にちょっと難しいという方。もしくは、ここまで派手な光沢感はいらないよ、という方は以下の手段も検討してみてください。
3-1 メタリックインキ
銀刷り・金刷りと呼ばれ、メタリックインキで印刷する方法があります。
印刷のためホイル紙・アルミ蒸着紙より光沢感や輝きが劣り、マットな仕上りになるのが特徴です。派手になりすぎず、費用もホイル紙・アルミ蒸着紙よりは抑えられます。
メタリックインキも色が転びやすく、イメージの違いが顕著な色の一つなので、本紙色校正または本機色校正を必ず行い、目的の色を再現できているか必ず確認しましょう。
色が転ぶ
指定した色とは違う色に仕上がること
3-2箔押し
一部だけ光ればいいという方や、ファンシー紙など別の紙が主体で一部のみ光らせたい場合は、通常の紙に箔押しすることをおすすめします。光らせたい面積や印刷量にもよりますが、通常の印刷用紙のほうが写真などの印刷が美しく、価格も抑えられます。
箔押しについてはこちらでも詳しく解説していますので、ご参照ください。
まとめ.紙から違う輝きを使いこなそう
印刷や箔押しで表現できるメタリック感は、ホイル紙・アルミ蒸着紙の輝きにはかないません。
ホイル紙・アルミ蒸着紙は通常の紙よりお値段も高く、印刷や加工の制約も多く、やや上級者向けです。コストパフォーマンスはあまりよろしくないかもしれませんが、キャッチ―で特別な印刷物になることは間違いありません!
印刷会社に相談すれば、おすすめの用紙や印刷方法などご提案できますので、ぜひとも頼りにしてみてください。