日本のオフセット印刷はそのままでも十分綺麗ですが、もっと細部まで忠実でハイクオリティな印刷物を作りたいと思ったことはありませんか。
高精細印刷を使えば、印刷物の解像度を格段に上げることができます。画集や写真集などにぴったりの印刷方法です。
高精細印刷のしくみのカギを握るスクリーン線数や、高精細印刷のメリット・デメリットなどについてご紹介します。
1.高精細印刷とは
高精細印刷は、一般的なオフセット印刷と何が違うのでしょうか。
1-1 普通の印刷と何が違うのか
一般的な印刷と高精細印刷では、印刷の密度を示すスクリーン線数が大きく違います。
通常の印刷物では175線が一般的ですが、高精細印刷では250~300線以上を使用します。
175線の印刷物は、近づいてよく見るとつぶつぶとしたインキの点(網点)が見えますが、高精細印刷では網点がより細かく印刷されるためほとんど見えなくなります。
1-2 スクリーン線数とは
スクリーン線数は、1インチの間にインキの点がどれだけ含まれるかを示す、印刷の細かさの単位です。lpi(ライン・パー・インチ)という単位で表すこともあります。
スクリーン線数が大きければ大きくなるほど、インキの点は小さくなり、より緻密な仕上がりの印刷物になります。
1-3 どのような印刷物に向いているか
高精細印刷は、写真集や画集、美術展の図録、額装して飾るようなものや、高級感のあるカタログなど、画像の細部に忠実な再現が求められる印刷物に使われることが多いです。細部まで緻密に描かれた絵など一般的な印刷ではつぶれてしまうような画像でも、綺麗に細かく印刷することができます。
また、一般的な175線でも十分綺麗な印刷物を作ることができます。普通の印刷物であればそこまで近づいて見ることはないため、高精細印刷はここぞという時に利用したいですね!
1-4 線数は上げれば上げるほどいい印刷物になる?
線数が大きすぎると網点が細かくなりすぎてしまい、インキの濃淡の調節が難しくなります。
そのため、線数を上げれば上げるほど綺麗な印刷物になるわけではありません。高い線数の印刷に対応できるかどうかは印刷所によりますので、まずは相談してみましょう。
また、紙の質も影響します。例えば新聞紙のようなざらつきのある紙では、あまり線数が高いと線がつぶれてしまうため、線数を少し低めにした方がきれいに印刷されます。
2.高精細印刷のメリット・デメリット
良いことばかりに見える高精細印刷ですが、デメリットもあるのでしょうか。
メリット:より綺麗な仕上がりになる
普通の印刷に比べて、高精細印刷では印刷が非常にきめ細やかになり、より緻密な表現が可能になります。
デメリット:管理が難しく、コストもかかる
高精細印刷は通常とは異なる印刷方法です。版やインキの管理が難しくなるため、必ずしもすべての印刷会社の出力機が対応できるとは限りません。
また、特殊な印刷方法ですのでコストも大きく変わってきます。問い合わせ・見積りを十分に行いましょう!
まとめ.より綺麗な印刷にしたいなら
写真集や画集など、細部を忠実に再現したいときは高精細印刷をしてみましょう。
仕上がりは印刷内容や使用する紙によっても変わりますので、まずは印刷会社に相談をしてサンプルを取り寄せるなど、実物を見てみてはいかがでしょうか。もちろん、当サイト『紙ソムリエ』でも高精細印刷に対応しています。お気軽にお問い合わせくださいませ。