イベントの中止や営業形態の変化など、コロナ禍における販促のあり方に悩まれているご担当者様も多いのではないでしょうか?
ラクスル(株)が実施した「販促活動に関する意識調査」によると、コロナ禍のBtoC企業において販促活動投資予算が増えた媒体1位が「DM」(27.4%)、2位が「Web」(23.6%)という結果に。各社がDMへの投資予算を増やし、注力しているということが分かりました。
また、トッパン・フォームズ(株)の『DMに関する生活者調査』によると、コロナ禍以前より紙のDMの開封割合が「増加した」との回答が「減少した」との回答を大きく上回り、消費者の意識が以前よりも多くDMに向けられていることが読み取れます。
テレワークの実施にともなう在宅時間の増加などによって消費者の意識がDMへ向けられている今、これまでDMを作成していなかった企業のご担当者様も、これを機にDMを作成してみるのはいかがでしょうか?
1.DMとは?DMの種類と特徴
1-1 DMとは?
DMとはDirectMail(ダイレクトメール)の略です。
企業やお店が個人宛に送る『郵便物』『Eメール』『FAX』などのことをいいます。
営業目的や宣伝目的で多く活用されているほかに、会報誌など情報発信のツールとしても活用されています。ちなみに、InstagramやTwitterなどのSNSで使われている“DM“はDirect Message(ダイレクトメッセージ)を指します。
こちらの記事では『印刷物』のDMをご紹介します。 印刷物のDMにはどのような形状があるのか、早速見ていきましょう。
1-2 非圧着DM
非圧着DMとは圧着加工をしない、用紙1枚の状態のDMです。
片面に宛名、もう片面に広告などのデザインが印刷されています。
一般的な郵便サイズ(148×100mm)のハガキやA4サイズの大判ハガキの他に、変型のハガキなど、形状を工夫すれば他の郵便物との差別化を図ることができます。
≪非圧着DMのメリット≫
・コスト面、納期面ともに比較的手軽に作成が可能
・情報が受け取った人の目に触れやすい
≪非圧着DMのデメリット≫
・掲載できる情報量が少ない
・デザインの幅を広げにくい
1-3 圧着DM
圧着DMとは、折った用紙の内側を剥離可能なUVニスやフィルム、糊などで貼り付けたDMのことです。一度剥がすと再び貼り付けることはできません。
仕上がりはコンパクトに、剥がすと大きく広がるので、載せられる情報量が多くなること、個人情報など配送中に見られてはならない内容を内側に記載して隠すことができるというメリットがあります。
・UVニス:圧着面全面に塗って圧着します。印刷面に光沢が出て、高級感が出ます。
・フィルム:圧着面全面に貼り付けて圧着します。ラミネート加工のようにツヤがあり、ツルツルした手触りです。
・糊:圧着面の四方のフチに3~5mm程度の幅で糊付けして圧着します。糊の跡が少し残るので、影響を受けたくない絵柄や文字は糊付け幅よりも内側に逃がす必要があります。
圧着DMの種類
・二つ折り圧着DM(V型圧着DM)
二つ折りにした用紙の内側を圧着したDMです。
横から見るとV型に見えることから、V型圧着DMとも呼ばれます。
・三つ折り圧着DM(Z型圧着DM)
横から見たときにZ型になるように三つ折りし、内側を圧着したDMです。
折ったときの形からZ型圧着DMとも呼ばれます。
・三つ折り圧着DM(巻き三つ折り型)
紙面を三面に分け、片方の端の面を内側に折り、さらに反対側の端の面をかぶせるように内側に折って圧着したDMです。
≪圧着DMのメリット≫
・掲載する情報量を手軽に増やせる
・サイズが大きくなるのでデザインの幅が広がる
・圧着すると内側は見えなくなるので、個人情報などの重要な記載を隠すことができる
≪圧着DMのデメリット≫
・非圧着DMよりもコスト、納期がかかる
・圧着を剥がして内側まで見てもらえない可能性がある
1-4 封筒型DM
封筒型DMは、紙封筒やOPP封筒にチラシや冊子などを封入し、発送するDMです。
複数のアイテムを発送したい場合には一番おすすめのDMと言えます。
印刷費用はかかりますが、封筒自体にも印刷が可能ですので、デザインでオリジナリティを出すこともできます。
≪封筒型DMのメリット≫
・複数の文書や付録など、アイテムをまとめて送ることができる
・封入物を保護できる
≪封筒型DMのデメリット≫
・コスト、納期が必要
・開封しないと受け取った人の目に触れないので、開封してもらう工夫が必要
2.DMのサイズと郵送費用
2-1 DMのサイズの決まりは?
DMのサイズ・形状については“こうでなくてはならない”という決まりはありません。
どんなサイズ・形状のものでも送ることができます。
ただし、特殊なサイズ・形状のDMの場合には、発送や製作のコストが割高になってしまったり、納期が長くなってしまったりしがちです。
製作の際には、どの条件(コスト、納期、情報量、インパクトなど)を優先したいのかを明確にした上でDMの種類を選択し、取りかかりましょう。
2-2 よく使われる定番のサイズは?
DMでよく使われている定番のサイズを代表的な種類ごとにまとめました。
非圧着DM
・148×100…郵便はがきサイズ
・120×235…大判ハガキサイズ
・210×297…A4サイズ
圧着DM
≪二つ折圧着DM(V型圧着DM)≫
・148×100(広げると148×195~200)…郵便はがきサイズの仕上がり
・235×120(広げると235×235~240)…長3サイズの仕上がり
・297×210(広げると297×415~420)…A4サイズの仕上がり
≪三つ折圧着DM(Z型圧着DM/巻き三つ折圧着DM)≫
・148×100(広げると148×約290~300)…郵便はがきサイズの仕上がり
・210×102(広げると210×297)…A4を三つ折りしたサイズの仕上がり
・297×210(広げると297×約620~630)…A4サイズの仕上がり
封筒DM
・240×332(角2封筒)…A4がすっぽり入るサイズ
・120×235(長3(洋長3)封筒)…A4が巻き三つ折りでちょうど入るサイズ
2-3 各サイズの郵送費用
≪郵送で発送する≫
郵送でのDM発送は最も一般的な方法です。
郵送する場合には、【はがき】【定形郵便(25g以内/50g以内)】【定形外郵便】で料金が分かれています。 それぞれの規格と料金は下記の通りです。
規格
郵送費
※2022年4月現在
★2,000通以上からは割引が適用される!
DMを2,000通以上発送する場合は、広告郵便割引が適用されます。はがきは8%~、定形郵便物および定形外郵便物は12%~の割引が適用されます。
※割引率は差出通数によって変化します。また、割引が適用されるためにはいくつかの条件があります。詳しくは日本郵便の公式Webサイトでご確認ください。
★1,000通以上はバーコード付き郵便物割引も!
ハガキもしくは定形郵便物を1,000通以上発送する場合には、所定の条件を満たしたうえで所定のバーコードを記載すれば3%(往復はがきは1.5%)の割引を受けることができます。
割引の利用条件は、日本郵便の公式Webサイトで確認できます。
≪運送業者のメール便で発送する≫
メール便とは、運送会社から提供されている、軽量で小型な荷物向けの配送サービスです。
通常の宅配便と異なり、対面での宅配ではなく、到着日時指定不可のポスト投函が基本になります。
代表的なメール便サービスを下記にまとめました。 条件が合えば普通郵便よりも安く送ることができますので、料金比較の際の参考にしてみてください。
※2022年4月現在
3.実制作する形を選んでみよう!特徴ごとにおすすめの種類はコレ
3-1 情報量で選ぶ
情報量を優先するのなら、おすすめはこちらです。
おすすめ① 封筒DM
封筒DMなら複数のアイテムを封入して送ることができますので、情報量はダントツです。
小さなサンプル、試供品などを入れて送ることもできますよ!
おすすめ② 三つ折り圧着DM(Z型圧着DM/巻き三つ折り圧着DM)
三つ折り圧着DMなら宛名面を除く計5面にデザインをすることができます。
展開時には横長になり、スペースを広く使ってデザインすることができますので、デザインの幅も広がりますね。
3-2 コスト・納期で選ぶ
おすすめ 非圧着DM ハガキ
コスト・納期で選ぶなら、ハガキが最適です。
ハガキのサイズが大きくなるほどコストは上がりますが、印刷の納期はほぼ変わりませんし、デザインも比較的短納期で作成することができます。
低コストでおさめたい、あまり時間がない、という場合におすすめです。
3-3 インパクトで選ぶ
おすすめ① こだわりの用紙・オリジナルの形のハガキ
ほかのDMとの差別化を図るなら、オリジナルの形のハガキを作ってみるのはいかがでしょうか?
型抜き加工で宣伝したい商品の形にしてみたり、企業のロゴやキャラクターの形にしてみたり、イベントの案内ならイベントに関連した形にしてみても有効です。
また、特殊な用紙を使い、見た目と手触りでほかのDMと差別化を図るのも一つの手です。
用紙についてはこちらをご覧ください。
おすすめ② 『全日本DM大賞』受賞作品を参考にしてみる
日本郵便の『全日本DM大賞』という賞をご存知ですか?
全国からDMのアイディアを募集し、優れた作品を表彰するアワードです。
お菓子の箱のようなDMや仕掛け付きのDMなど、インパクトのある入賞DM作品をこちらで見ることができます。
デザインは画像付きで、コンセプトと実際の集客効果、審査委員講評まで掲載されているので、個性的なDM作りを目指す方はぜひ参考にしてみてください。
まとめ.最適なDMで集客UP!
さて、今回は紙媒体のDMをご紹介しました。
デジタル化の進む今日においても、紙媒体にしか出せない付加価値はまだまだあります。
手軽にたくさん送信できる電子メールのDMは受信量も多いだけに、ついついチェックを怠ってしまい、その他たくさんのメールの中に埋もれてしまいがちですよね…。
冒頭で申し上げた通り、紙のDMに消費者の意識が向いている今、販促・集客UPの強い味方となってくれることでしょう。
目的とターゲットに合ったDM作成で、御社の商品やサービスの魅力を存分にアピールしてくださいね。
当サイト『紙ソムリエ』でもDMに関するご相談を承っております。
新しいアイディアが思い浮かばないとき、作成に行き詰まって困ったときは、お気軽にお問い合わせください。