冊子やパンフレットを作るとき、どこから作業を始めますか?
原稿執筆?写真集め?デザイン依頼?…その前に掲載内容と順番も決めなくてはなりません。すべてのスケジュールや仕様を管理するのはとても大変です。
最初に台割表を作り、内容・掲載順・原稿量の大枠を決めましょう!
前もって掲載順や原稿量、必要なイラスト・写真を決めることで、冊子全体の流れを綺麗にまとめられます。冊子の骨組みができると、各ライターやデザイナーとスムーズにやりとりができるでしょう。
この記事では、台割表の重要性と作り方についてご説明します。
1.なぜ台割表が必要なのか?
台割表とは、冊子を作るときの地図のようなもので、どのような順番で何をどのくらいのボリュームで掲載するかを決めた表です。
台割表を見れば冊子やパンフレットの全体像がわかります。
台割表を作成し掲載内容が決まれば、写真数や原稿量も決まってきます。おおよその文章量が算出できれば、原稿執筆の依頼や校正がしやすくなります。社内の打ち合わせにもあると便利です。
台割表があれば各工程の完成イメージを共有できるので、掲載順番の変更や内容の追加、修正がしやすく、工程ごとに役割分担をして作業することも可能になります。
作業をスムーズに進める上でのメリットがたくさんありますね。
また印刷会社からすると、印刷機の稼働台数や必要な用紙枚数を計算したり、加工の可否を決めたりする大切な要素になります。
「袋綴じのような雑誌を作りたい」「漫画誌のように1色印刷の中面にのみフルカラーページを入れたい」「任意のページに観音折を入れて大きく見開き図を入れたい」…などさまざまな要望にお応えするためにも、台割表はとても重要な役割を担っているのです。
2.台割表は2種類
台割表には大きく分けて「見開きタイプ」と「一覧表タイプ」の2パターンがあります。
エクセルやパワーポイントで作成されることが多いですが、伝われば手書きでも問題ありません。
2-1 見開きタイプ
見開きタイプは、各ページに対応するように四角形を並べて、図として作る台割表です。
表紙と裏表紙セットから始まり、2-3ページの見開き、4-5ページ、と冊子の見開き単位で作っていきます。ページ内で文字がどれくらいの割合を占めるのか、写真をどこに置くのかが視覚的に把握できます。
◎メリット
実際の冊子の仕上がりイメージに近い状態で構成を確認できる。
そのため、冊子全体の流れを決めやすく、写真やイラストのレイアウトもイメージしやすい。
×デメリット
ページ数が多くなると、台割表自体の管理が難しくなる。
2-2 一覧表タイプ
一覧表タイプは、ページ数に対応する記事の内容を表形式にまとめた台割表です。
ページ数や記事内容のほか、色数や用紙など、さまざまな情報を載せることが可能です。
汎用性がとても高く、原稿執筆のスケジュールや担当者など記載される方もいます。ページ数が多い冊子や、構成内容が複雑な冊子に適している台割表です。
◎メリット
ページ数の多い冊子などをまとめるのに適している。
表の工夫次第で記事内容以外にも、執筆担当者や入稿スケジュール、用紙の銘柄、色数などさまざまな関連情報を載せることができる。
×デメリット
冊子全体の構成について見落としがち。
冊子に展開された状態を意識して台割表を作らないと、見開きページが見開きにならず、記事が思わぬところで切れてしまい、紙面上が不自然になる場合がある。
3.台割表に必要な情報と作り方
それでは台割表を作ってみましょう。どのような情報が必要なのでしょうか?
台割表に絶対に必要な情報は、
・冊子のページ数(ノンブル)
・記事内容
この2点だけです。
その他のカスタマイズ内容は、
・記事番号(特集1、特集2などページ数とは異なる記事の管理番号)
・原稿の文字数
・写真、イラストの有無
・原稿執筆者
・原稿入稿日(執筆者が原稿を書きあげる日)
・印刷の表裏の色数(4c/4c、4c+特色1c/Kなど)
・用紙の銘柄や斤量(厚さ)
・加工の有無
などです。
社内報の作り方でご紹介した台割表をベースにして、「見開きタイプ」と「表タイプ」をかき分けてみましょう。
見開きタイプの台割表は、このようになります。
見開きタイプは一目で、どの記事がどのページにどれくらいのスペースを占めているのかがわかりますね。完成図やページレイアウトについてイメージがわきやすいのではないでしょうか。
同じ内容で、一覧表タイプの台割表はこのようになります。
一覧表タイプは、より詳細な情報が追加されてもわかりやすいですね。
見開きタイプには書き込みづらい原稿締め切り日や色数、用紙の細かい指定などもまとめられます。
まとめ.台割表でスムーズな情報整理を
台割表は、冊子を作成する際に最初に作っておきたいアイテムです。いきなり原稿やイラスト作りを始めたら、きっと編集者もデザイナーも混乱してしまうでしょう。
また、印刷現場からすると、1ページの増減や加工箇所、色数・用紙の変更はかなり影響が大きい部分でもあります。見積もり金額にも変更が発生してしまいます。
前もって台割表があれば、多少のレイアウト変更が生じても、全体像を崩さずに対応できます。
台割表で各現場と完成図を共有し、ミスなくイメージ通りの印刷物を作りましょう!